内子町は、愛媛県のほぼ中央に位置し、北部は伊予市、砥部町、西部は大洲市、南部は大洲市、西予市、東部は久万高原町に接している。
 町の中央部を一級河川・肱川の支流である小田川や中山川、麓川が流れる。南東部は仁淀川水系黒川の流域である。小田深山は国有林地帯で原生林も多い。平地は少なく、山林が8割弱を占めている。行政の中心となる五十崎地区は、田園地帯を形成している。
 国道56号、379号、380号が通じ、松山自動車道の内子五十崎インターチェンジがある。鉄道はJR予讃線、内子線が通る。
 古くから製紙と製糸で知られ、紙の生産は正倉院文書にも記録されている。江戸時代には和紙と木蝋の生産地として基盤が整い、明治~大正期にかけて栄えた。現在でも手漉き和紙業が残っている。一方、製蝋業は衰退した。現在の主産業は農林業。小田川沿岸では米、タバコ、果樹、酪農などの他、落葉果樹の柿をはじめ、栗、ぶどう、梨などの産地である。また、杉の磨き丸太は建築用材として山村振興に役だっている。
 かつて製蝋で栄えた中心地区には商家造りが多く残り、往時を伝える八日市護国の歴史的町並は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。木蝋生産で財をなした豪商の本芳我家住宅は、国指定重要文化財。分家の上芳我家住宅は木蝋資料館となっており、建物は国の重要文化財に、製蝋用具は国の重要有形民俗文化財に指定されている。歴史地区には大村家住宅(国指定重要文化財)等がある。大正時代の芝居小屋「内子座」は現在も芝居公演などで活用されている。毎年5月5日に小田川をはさんで数百枚の凧を上げて競う伝統行事「大凧合戦」は県指定の無形民俗文化財。

観光資源一覧

内子の町並みの写真

内子の町並み (愛媛県 内子町 )

内子の町並みは、町中心街の北に約600mにわたって続く「内子町八日市護国伝統的建造物群保存地区」を中心にして広がる。現在残る町並みは、幕末から大正頃にかけて造られたもので、桟瓦葺(さんがわらぶき)の大屋根、漆喰となまこ壁に美しく調和する出格子(でごうし)や破風飾など、豪壮で重厚な造りに往時の面影を偲ばせている。  一方...

歌舞伎劇場内子座の芝居の写真

歌舞伎劇場内子座の芝居 (愛媛県 内子町 )

内子座はJR内子駅近くにあり、1916(大正5)年、大正天皇の即位を記念して創建された歌舞伎劇場である。建物は正面約20.1m、側面約23.8mの規模で、木造、一部二階建、入母屋造、桟瓦葺、妻入である。大屋根に太鼓櫓をのせ、両袖には2階建の切妻造の櫓風別棟が造られている。内部は桝席、向こう桟敷、花道などが設けられ、電動式の回り舞台も...