歌舞伎劇場内子座の芝居かぶきげきじょううちこざのしばい

内子座はJR内子駅近くにあり、1916(大正5)年、大正天皇の即位を記念して創建された歌舞伎劇場である。建物は正面約20.1m、側面約23.8mの規模で、木造、一部二階建、入母屋造、桟瓦葺、妻入である。大屋根に太鼓櫓をのせ、両袖には2階建の切妻造の櫓風別棟が造られている。内部は桝席、向こう桟敷、花道などが設けられ、電動式の回り舞台も設置している。
 これまでに数多くの歌舞伎や芝居が興行され、また映画鑑賞や講演会などにも用いられてきた。昭和20年代には映画館、昭和40年代には商工会館にも改装された。1982(昭和57)年には、それまで所有していた内山商工会から内子町に寄付され、1983(昭和58)年から復原工事を行って現在に至っている。
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みどころ

内子座の見学では、実際に客席から見て左側にある「花道」を歩いたり、舞台上に立ったりすることができる。さらに、「すっぽん」と呼ばれる妖術使いの妖怪や幽霊が登場したり退場したりする小型のセリや、回り舞台と呼ばれる舞台中央の床を丸く切り取り、その部分を回転させる舞台機構なども観覧することができる。加えて、舞台と花道の地下にある「奈落」と呼ばれる空間にも立ち入ることができる。同所は、回り舞台やセリを人力で動かしていた時代は地獄を連想させる暗くてじめじめしていた場所であったことから、そのように呼ばれるようになった。
 内子座は、老朽化のために取り壊される予定になっていたが、地元住民の町並保存運動により一転改修することとなり、今では、町内外の芸術文化活動の拠点として広く活用されている。また毎年8月には、「内子座文楽」の定期公演をしており、夏の風物詩として、全国の文楽ファンに愛されている。
関連リンク 内子町(内子町役場)(WEBサイト)
参考文献 内子町(内子町役場)(WEBサイト)
内子さんぽ(内子町観光協会)(WEBサイト)

2022年11月現在

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