白川村は、岐阜県北西部、大野郡にある。
 国道156号、360号が通る。東海北陸自動車道が通り、白川郷インターチェンジがある。また、白山白川郷ホワイトロードが通じている。
 飛騨地域の中でも山ひだが険しい地域で、急斜面地の間を縫うように庄川が流れ、その流域に集落が形成されている。村の面積の95.7%を山林が占め、白山国立公園、天生県立自然公園などがある。日本有数の豪雪地帯である。村の植生は温帯の中の白山山系植物区に属し、白山のほぼ2,400m以上の地帯は高山地帯でハイマツ林が自生し、1,600m以上の亜高山帯にはダケカンバ林、山地帯(約400m以上1,600m以下)にはブナ林が自生している。
 かつては秘境白川郷の中心で、大家族制の村として知られた。御母衣ダムの建設(1961)以来、国道156号が改良された。村の産業構造を大きく変化させたのは、昭和26年に始まるダムや発電所の建設と平成7年の白川郷合掌造り集落の世界遺産登録。世界遺産登録により年間60万人前後だった観光客数が140万人に増加した。
 村の主力産業は建設業や生コン・砕石業である。山間地のため耕地が狭く、農業発展が難しい土地柄。林業も森林の過半数は国有林で産業としての構築が困難となっている。
 御母衣に茅葺き切妻合掌造の遠山家の旧住宅(旧、遠山家民俗館、国指定重要文化財)がある。荻町地区は重要伝統的建造物群保存地区。また、合掌造保存のため「合掌造り民家園」がつくられている。なお、白川郷は五箇山(富山県)とともにその合掌造集落が世界文化遺産に登録されている。西部の富山県白山市の境にそびえる白山の周辺は白山国立公園に含まれる。また、東部の天生山地付近は天生県立自然公園になっている。10月中旬の「どぶろく祭」は有名。

観光資源一覧

白川郷合掌造り集落の写真

白川郷合掌造り集落 (岐阜県 白川村 )

白川郷の中心である荻町(おぎまち)地区は、山あいを縫うように流れる庄川によって形成された三日月形の河岸段丘の平地にある。急勾配の茅葺き屋根の家屋や小屋が約1kmにわたり点在し、家屋周辺には水田や畑、水路が広がっている。  江戸時代末期(1830~1867年)の建築と伝わる「和田家(わだけ)」や、5階建ての庫裡(くり)がある「明...

どぶろく祭の写真

どぶろく祭 (岐阜県 白川村 )

稲刈りを終えて紅葉に彩られた頃、10月14日から19日にかけて、五穀豊穰・家内安全を願い、山の神様にどぶろくが奉納される祭礼。和銅(わどう)年間(708~715年)に始まったと伝わり、長い年月の間に変遷しながら受け継がれてきた。  神社では、もろみを漉さない濁り酒である「どぶろく」の製造免許を取得している。どぶろくは、真冬の1月...

白水滝の写真

写真提供:白川村

白水滝 (岐阜県 白川村 )

白山国立公園内で白山平瀬登山口の近くにあり、庄川の支流大白川に注ぐ滝。大白川の水は硫黄分を含み、時には白く濁って流れる。落ちる瀑布が乳白色に見えることから「白水滝」と呼ばれる。原生林に囲まれた絶壁から水が落差約70m、幅8mで流れ落ち、水煙あげて爆音をとどろかせている。  その成り立ちは、約2200年前、西側に聳える白山の噴...