天童市は、山形県のほぼ中央部に位置し、南は立谷川を境に山形市、西は最上川を境に寒河江市と河北町、中山町、北は乱川を境に東根市と隣接している。
 市域は奥羽山脈を源にする立谷川・乱川等の扇状地で、西部は山形盆地に属する平野部。東部は、奥羽山脈に含まれる山岳地帯になっている。市の南西部を市域に沿って最上川が流れ、中央部を流れる倉津川と、北部を流れる乱川が最上川に合流する。
 JR奥羽本線(山形新幹線)、国道13号、48号が通じ、東北中央自動車道の天童インターチェンジが設置されている。山形空港まで車で10分という、交通の便に恵まれている。
 近世、山形藩領、幕府領などとなり、1830(天保1)年、天童村などを領していた高畠藩織田氏が天童村に陣屋を移し(天童藩)、明治に至った。天童は江戸時代は羽州街道の宿駅でもあった。明治になって温泉を掘り当て、天童温泉として現在では上山温泉(上山市)と双璧をなす温泉都市となっている。
 特産の将棋駒は幕末に天童藩士の手内職から発展したもので、国の伝統的工芸品にも指定され、現在では全国の95%を生産する。将棋資料館もつくられている。近年は家具や電気機器などの工場も進出している。
 扇状地ではサクランボ、ブドウ、リンゴなどの果樹栽培が盛んである。
 東部の天童高原は県立自然公園となっていて、キャンプ場やスキー場などがある。城山の舞鶴山公園の桜まつりでは人間将棋が行われる。最上三十三観音第一番札所の若松寺の観音堂と安置する金銅観音像懸仏は国の重要文化財に指定されている。

観光資源一覧

天童桜まつりの写真

写真提供:一般社団法人 天童市観光物産協会

天童桜まつり (山形県 天童市 )

天童桜まつりは、毎年4月上旬から5月上旬にかけて開かれる祭りで、会期中は「人間将棋」「子ども将棋大会」「天童百面指し」「しだれ桜まつり」*「天童花駒踊りフェスティバル」などが市内各所で開催される。  メインイベントは、1956(昭和31)年から催されている「人間将棋」(4月第3土、日曜日)だ。当初は「将棋野試合」と呼ばれ、天...

ベニバナの写真

写真提供:山形県

ベニバナ (山形県 山形市 / 山形県 天童市 / 山形県 寒河江市 / 山形県 上山市 )

キク科でアザミによく似た花をもち、古くから染料や口紅の原料として使用されていた。原産地は未詳だが、中近東だとされている。日本にはすでに3世紀には伝来していたといわれ、万葉集*にも「久礼奈為」、「呉藍」などとして詠み込まれており、10世紀後半に編纂された「和名類聚抄」には「紅藍」*の記載がある。  山形での栽培が始まった...