龍郷町
印刷する鹿児島県南部に位置する奄美群島は、鹿児島市の南西約370~560kmの範囲に広がる有人8島(大島本島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島外3島)の総称。龍郷町は、その奄美大島の北部に位置し、西は奄美市名瀬に、東部は空の玄関口である奄美市笠利町に接する。国道58号が通じる。
町内は長雲山系により、荒波地区と内場地区に分断されている。総面積の約9割はイタジイを主体とする広葉樹やリュウキュウマツで覆われた山林原野である。広大な海域に恵まれ、東南部に太平洋、北部には東シナ海をひかえ、これにつながる龍郷湾は静穏な海域として天然の良港を形成している。
主産業は大島紬の製造。ハブやソテツの模様をデザイン化した大島紬龍郷柄の発祥地である。農業は、さとうきびを中心としてタンカンやパッションフルーツなどの園芸作物の栽培や畜産が主である。
幕末には西郷隆盛が流謫された地として知られる。景勝地も多く、赤尾木湾は周囲10kmに及ぶ美しい円形の湾で奄美十景の一つ。安木屋場(あんきゃば)集落の背後にはソテツとバショウの自然群生地がある。ノロの祭りとして秋名集落に伝わる収穫祭(旧暦八月の新節の日)にちなむ歌舞「平瀬マンカイ」は国の重要無形民俗文化財に指定されている。
観光資源一覧
安木屋場のソテツ・バショウ群生地 (鹿児島県 龍郷町 )
奄美大島の龍郷町、今井崎の西側に位置する安木屋場集落。集落の背後に控える神山「オダキ」の斜面に、ソテツとイトバショウの群落がある。 ソテツもイトバショウも島人の暮らしに深く関わってきた植物だ。イトバショウは芭蕉布の原料として、ソテツは実や幹のでんぷんを水でさらして毒を抜き、救荒食物として昔から島の人の命を支えてき...