阿賀野市
印刷する阿賀野市は、新潟県の中北部、新潟平野のほぼ中央に位置し、新潟市、新発田市、五泉市、阿賀町に接する。南側に阿賀野川が流れ、東側に標高1,000m級の山々が連なる五頭連峰を背にして形成された扇状地が広がる。
平野部をJR羽越本線、国道49号、460号が走り、五頭連峰西麓を国道290号が南北に通じる。南端部を磐越自動車道が東西に走り、安田インターチェンジがある。
中世、市域は九条家領越後国白河荘(一部は現、新潟市)の荘域となる。同荘地頭職を得た大見氏(伊豆国の御家人)の子孫は、荘内の水原条・安田条を苗字の地として水原氏、安田氏を称し、水原城、安田城を居城とする。江戸時代、水原城廻り、安田城廻りの水原村、保田町は市の立つ在郷町として発展、現在の水原市街、保田市街へと継承されている。
基幹産業は稲作を中心とした農業で、チューリップなどの花卉や近郊野菜の栽培も盛んである。旧安田町地区は安田ダシ(阿賀野川の峡谷から吹き出す南東風)とよばれる強風に見舞われて稲作に適さず、古くから酪農が盛んで新潟県酪農発祥の地とされる。耐寒性にすぐれた安田瓦は江戸時代後期以来の伝統を有する。
観光資源には、白鳥渡来地「瓢湖」、五頭連峰、五頭温泉郷(出湯・今板・村杉温泉)、 新江の桜並木、梅護寺「珠数掛桜」「八房の梅」、孝順寺、水原代官所、無為信寺、華報寺、五頭薬用植物園、水原六斎市、吉田東伍記念博物館、旦飯野神社、あやめ園などがある。
特に水原の瓢湖(江戸前期に造成された溜池)に飛来するハクチョウは、日本で初めて餌付けに成功した野生の白鳥として知られ、「水原のハクチョウ渡来地」として国指定天然記念物に指定されている。2008(平成20)年には一帯がラムサール条約登録湿地となった。
観光資源一覧
瓢湖の白鳥 (新潟県 阿賀野市 )
JR水原駅の東1.5kmにある瓢湖*は、1639(寛永16)年に新発田藩が13年かけて造ったため池で、周囲約1kmの方形をしている。毎年10月下旬~4月上旬、約5,000羽の白鳥が訪れることで知られている。 1950(昭和25)年2月から付近の故吉川重三郎が餌付けを試み、1954(昭和29)年に成功、警戒心の強い白鳥が人に馴れる例は極めて珍しいことから...
五頭温泉郷(出湯温泉、今板温泉、村杉温泉) (新潟県 阿賀野市 )
五頭・菱ヶ岳西麓にあり、旧笹神村の出湯・今板・村杉の三温泉を称して五頭温泉郷という。ゆっくりと保養する人のほかに、周辺の瓢湖、五頭山、ゴルフ場などの基地として利用されている。 北にある出湯温泉*は、弘法大師が錫杖で地面を突いたところ湧出したと伝えられる。五頭山華報寺の門前町と発達した温泉で、華報寺が名実ともにこの...