瓢湖の白鳥ひょうこのはくちょう

JR水原駅の東1.5kmにある瓢湖*は、1639(寛永16)年に新発田藩が13年かけて造ったため池で、周囲約1kmの方形をしている。毎年10月下旬~4月上旬、約5,000羽の白鳥が訪れることで知られている。
 1950(昭和25)年2月から付近の故吉川重三郎が餌付けを試み、1954(昭和29)年に成功、警戒心の強い白鳥が人に馴れる例は極めて珍しいことから、白鳥飛来地として天然記念物に指定された。現在、3代目の斉藤功が保護を引き継いでいる。餌付けのため「コーイ、コイ」と呼ぶと、オオハクチョウ*、コハクチョウ、カモ類が先を争って集まってくる。餌はシイナという未成熟の稲、麦、パンくずなど。
 ハクチョウは毎年10月上旬ころ、シベリアから飛来し、3月末頃に帰っていく。瓢湖は約70種類の水鳥の宝庫として、またサクラやアヤメ、オニバス*など四季折々の風景を楽しむことができる。隣接する「白鳥の里・白鳥資料館」では瓢湖の魅力を紹介している。
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みどころ

数が非常に多く迫力がある。
 餌付する人の呼び声も名物の一つ。餌付けはシーズン中は、毎日9時、11時、15時の1日3回。(溝尾 良隆)
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補足情報

*瓢湖:かつて大小二つあった池が瓢箪型をしていたからという。
*オオハクチョウ:シベリアで繁殖し、結氷で採餌不能の冬に日本へ飛来する。水草や海草を食べる。普通の白鳥より体が大きい。飛ぶ時には首を上下に振り、30m程滑走して勢いをつけてから飛び立つ。
*オニバス:スイレン科の一年草。瓢湖に群生し、本州の北限地になっている。