岩泉町は、岩手県北東部にある。周囲を標高 1,000m~1,300m の高地に囲まれ、耕地は少なく林野率は高い。北は久慈市、野田村、南は宮古市、西は盛岡市、葛巻町に接する。東は普代村、田野畑村に接し、一部は北部陸中海岸の太平洋に臨んでいる。三陸鉄道リアス線、国道45号、340号、455号が通じる。
 町域の大部分は山林原野で占められ、藩政時代から牛馬小作や名子制度が行われてきた。昭和初期に明治乳業の工場が立地し、酪農が盛んになったが工場は1977(昭和52)年に閉鎖。1978(昭和53)年、町内の茂師(もし)で日本で初めてとなる恐竜化石「モシリュウ」が発見された。
 鉄山が存在したため、かつては鉄鉱産業が盛んだった。農林漁業、畜産、酪農などが主産業で、肉牛の日本短角種の産地として知られる。特産品として、マツタケがある。また、ミネラルウォーターやヨーグルトなどの食品加工業も盛んで、「岩泉ヨーグルト」「龍泉洞の水」「龍泉洞珈琲」などの製品が県内で広く流通しているほか、ヨーグルトは県外・首都圏の一部スーパーでも販売されている。
 国指定天然記念物の龍泉洞、安家洞などの鍾乳洞、三陸復興国立公園(旧、陸中海岸国立公園)に含まれる熊の鼻海岸、県立自然公園の早坂高原など自然景観に恵まれている。日本三大鍾乳洞のひとつとして名高い龍泉洞は水の透明度が高いことで有名で、町内における中心地区の水道水は龍泉洞の水であり、ミネラルウォーターとして販売もされている。町営のバスに「森と水のシンフォニー」と謳われている。岩泉駅近くの駅の寺に、かつての鉄山で採れた鉄を使った灯篭があり、町文化財に指定されている。

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