竹富島の赤瓦屋根の民家群(竹富島)たけとみじまのあかがわらやねのみんかぐん

竹富島は石垣島の南西約6kmに浮かぶ、周囲約9kmの楕円形をした隆起サンゴ礁の小島。石垣島から船で約10分、気軽に行ける離島として人気が高い。遠浅の美しい浜コンドイ浜、星砂が見られるカイジ浜、水牛車での島内観光など、小さな島ながら楽しみは多い。
 島のほぼ中央にある東、西、仲筋の3つの集落は、昔ながらの赤瓦屋根の家々が残り、沖縄の農村集落の景観をよくとどめている。ブーゲンビリアなど原色の花々が彩る白砂の小道にサンゴ石灰岩の石垣が巡り、フクギなどの屋敷林に囲まれた敷地に、屋根上に魔除けのシーサーを構えた家々が立つ。沖縄の在来瓦が赤いのは、沖縄の粘土質の土が焼成すると赤くなるためで、断熱性があり、沖縄の気候に合っていることから、明治以降、茅葺き屋根から瓦を乗せるようになったという。
 この伝統的な町並みは、1987(昭和62)年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
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みどころ

民謡安里屋ユンタを聞きながら水牛車に揺られて集落を回るのが定番だが、自転車もおすすめだ。日帰りでも十分楽しめるが、1泊することをおすすめしたい。ツアー客が帰った後の夕暮れ時や早朝は静けさに包まれ、なんともいえない風情がある。
 早朝には、白い道を掃き清める住民の姿が見られる。美しい景観を保存するためには住民のたゆまぬ努力があるのだ。