竹富町は、沖縄本島から南西に450kmの八重山諸島、石垣島の南西に点在する大小16の島(有人島9つ、無人島7つ)からなる。石垣島と西表島の間に広がる約400種の造礁サンゴが分布するサンゴ礁域(石西礁湖)は、国立公園の海中公園になっている。町役場を八重山経済の中心地(石垣市)に置く、特異な行政形態となっている。また、町内の各島への航路は基本的に石垣島を起点としている。
 産業面では、農業はさとうきび、水稲、野菜、パインアップル、熱帯果樹生産を主体としている。漁業は栽培漁業や養殖漁業が推進されている。
 観光業は竹富島、西表島で特に盛んである。竹富島には、白い砂の道と花々、石垣の連なり、赤瓦の民家や屋根の上のシーサーなど、沖縄の古い町並みが色濃く残されており、国の「重要伝統的建造物郡保存地区」に選定されている。西表島は、県内では沖縄本島に次いで広大な面積を有する島で、手つかずの自然が残っている。東部地区の仲間川、西部地区の浦内川の河口流域には、我が国最大のマングローブ林が広がっている。原生林の中には「イリオモテヤマネコ」をはじめ、亜熱帯の貴重な動植物が生息している。

観光資源一覧

ニシ浜(波照間島)の写真

写真提供:垂見健吾

ニシ浜(波照間島) (沖縄県 竹富町 )

波照間島は西表島の南に位置し、有人の島では日本最南端の島。島名は「はてのうるましま」からきたものと伝えられる。島の南側は切り立った断崖が続くが、北西側には美しい「ニシ浜」がある。「ニシ」とは沖縄の言葉で北のこと。沖に西表島や仲ノ神島の島影が望めるニシ浜の海は、淡い水色からコバルトブルー、沖の藍色まで、ハテルマブルー...

竹富島の赤瓦屋根の民家群(竹富島)の写真

竹富島の赤瓦屋根の民家群(竹富島) (沖縄県 竹富町 )

竹富島は石垣島の南西約6kmに浮かぶ、周囲約9kmの楕円形をした隆起サンゴ礁の小島。石垣島から船で約10分、気軽に行ける離島として人気が高い。遠浅の美しい浜コンドイ浜、星砂が見られるカイジ浜、水牛車での島内観光など、小さな島ながら楽しみは多い。  島のほぼ中央にある東、西、仲筋の3つの集落は、昔ながらの赤瓦屋根の家々が残り、...

コンドイ浜(竹富島)の写真

コンドイ浜(竹富島) (沖縄県 竹富町 )

竹富島の西海岸にポツンと突き出た小さな岬に広がる海岸。砂の白と海の淡い青、それに空の青の、ブルーと白だけで構成された幻想的な浜。海は遠浅で穏やか、特に干潮時はどこまで歩いても大人の足首くらいまでの水深しかない。また、干潮時は砂が集まってできた砂州も出現する。  沖には西表島や小浜島、黒島が眺められる。トイレ、シャワ...

新城島の海岸(新城島)の写真

新城島の海岸(新城島) (沖縄県 竹富町 )

石垣島の西24km、黒島と西表島の間にあり、上地(かみじ)島と下地(しもじ)島の2つの島からなる新城島。2つに離れていることから、沖縄の言葉で「離れる」を意味する「パナリ島」とも呼ばれている。それぞれ周囲4km。  石西礁湖の中でも、ことのほか美しい海に囲まれている。上地島の桟橋近くに広がるクイヌパナは、石灰岩が波に削られて...

仲本海岸(黒島)の写真

仲本海岸(黒島) (沖縄県 竹富町 )

石垣島から船で30分ほどのところにある、約200人が暮らす黒島。牛の畜産業が盛んで、人口の10倍以上の牛が飼育され、「牛の島」とも呼ばれている。  仲本海岸は島の西側、黒島港から1.8km、自転車で約9分のところにある。砂浜の長さは80mほどだが、大潮の干潮時には幅150m、長さ450mぐらいの大きな潮だまり「タイドプール」が出現する。水...

浦内川(西表島)の写真

浦内川(西表島) (沖縄県 竹富町 )

沖縄県では本島に次ぐ面積を誇る西表島は、およそ90%が亜熱帯の自然林で覆われている。降水量が豊富なこの島には、大小あわせて40本以上の川がある。なかでも水量豊かなのが、西表島の北西部を流れる浦内川。古見岳(469m)に源を発し、テドウ山と波照間森の間を流れて東海岸に注いでいる。支流も含めて全長39kmあり、沖縄県内で最長の河川...

仲間川のマングローブ(西表島)の写真

仲間川のマングローブ(西表島) (沖縄県 竹富町 )

仲間川は、島の中南部、御座(ござ)岳から密林を蛇行して東海岸まで流れる、西表島で第二の川。河口付近には大富集落がある。日本最大規模のマングローブが広がる下流域から、ヒカゲヘゴやイタジイなどの亜熱帯性植物が繁茂する上流まで、流域一帯が緑濃い自然の姿をとどめている。森の巨人たち100選に選ばれた迫力ある板根をもつ「仲間川の...

古見のサキシマスオウノキ(西表島)の写真

古見のサキシマスオウノキ(西表島) (沖縄県 竹富町 )

サキシマスオウノキはマングローブの湿地やその周辺に生息することが多い、アオギリ科の常緑高木。高さ5~15m、時に25mに達するものもある。特徴は板根(ばんこん)と呼ばれる板状の根で、その根の高さが3m以上になるものもある。奄美大島が北限で、南アジアに分布する。  西表島東部の古見の原生林には、樹高10mから15mほどのサキシマスオ...

ピナイサーラの滝(西表島)の写真

ピナイサーラの滝(西表島) (沖縄県 竹富町 )

西表島の北端、船浦湾に注ぐヒナイ川(ピナイ川ともいう)の上流にかかる滝。ヒナイサーラの滝ともいう。亜熱帯照葉樹林の中にある岩肌を流れ落ちる。  ピナイとは島の言葉で「ヒゲ」、サーラは「下がったもの」という意味で、老人のヒゲのように白く下がった滝の姿に由来する。落差は約55mで、沖縄県最大の落差を誇る。  滝壺だけでなく...

由布島の水牛(由布島)の写真

由布島の水牛(由布島) (沖縄県 竹富町 )

西表島の約400m東にある由布島。この2つの島の間は、干潮時には歩いて渡れるほど海水が引く。そのため、周囲約2km、島全体が亜熱帯の植物園になっている由布島へ渡る手段として、水牛車が使われている。  台湾から移り住んだ人々によって沖縄に水牛が導入されたのは、1930年代。農耕に用いる種で、体が大きく、胴は短く、筋骨頑丈。強健で...

西表島のサガリバナ(西表島)の写真

西表島のサガリバナ(西表島) (沖縄県 竹富町 )

サガリバナは海岸や川岸の湿潤なところに生息する、高さ10mほどになる常緑の小高木。葉は楕円形で長さ30cmくらいになる。花は白や淡い紅色で、桃色をした多数の雄しべが房状になって下がる。雄しべは20~60cmになる。開花時期は6~10月頃で、最盛期は6~7月。夕方から開き始め、明け方に落ちる。花は甘い香りを放つ。  西表島では浦内川や...

ヒナイ川のマングローブ(西表島)の写真

ヒナイ川のマングローブ(西表島) (沖縄県 竹富町 )

仲間川、浦内川とともに、原生的な天然林が保存されていることから自然休養林に指定され、風致景観の維持対象になっている、西表島北西部のヒナイ川。周辺にはマングローブをはじめ貴重な亜熱帯性植物が生育している。  陸と海のフィルターとなって、赤土や泥が海に流れ込むのを防ぎ、また荒い波で海岸が削られるのを防ぐ役目を果たすマン...

竹富島の種子取祭(竹富島)の写真

竹富島の種子取祭(竹富島) (沖縄県 竹富町 )

種子取祭は作物の種子をまく播種儀礼のことで、今も多くの行事が続く竹富島にあって、最大かつ最も重要な祭祀行事。旧暦9月か10月のツチノエの日を中心にした10日間がその期間だが、見物することができる奉納芸能は7日目と8日目に行われる。  芸能の初日は「バルビル(発芽願い)」で、世持御嶽(よもちうたき)への祈願のあと、奉納芸能が...

西表島の節祭(西表島)の写真

西表島の節祭(西表島) (沖縄県 竹富町 )

節とは年の節目のことで、年の終わりと始まりを祝い、健康や繁栄を祈る儀式である。西表島の祖納集落で行われる節祭は、旧暦10月前後の己亥(つちのとい)から3日間行われる。初日はトゥシヌユー(年の夜=大晦日)、2日目はユークイ(世乞い)、3日目はウイヌカー(水恩儀式)という。  前泊の浜で芸能が奉納されるのは2日目。旗頭を先頭に...

高那崎(波照間島)の写真

高那崎(波照間島) (沖縄県 竹富町 )

有人の島では日本最南端である波照間島の、南側の岬一帯を高那崎と呼ぶ。切り立った断崖の先に島影はなく、ただ群青色の海が続いている。  ここには日本の全都道府県から寄せられた石が並ぶ小道がつくられ、その先に「日本最南端之碑」が立っている。この碑は、復帰前の1970(昭和45)年に北海道から旅をしてきた大学生が自費で立てたもの...