ウイルソン株うぃるそんかぶ

推定樹齢2000~3000年、江戸時代に木材用に切り倒されたといわれている屋久杉の大株。1914(大正3)年に屋久杉を調査し、大株を紹介したアメリカの植物学者ウィルソン博士にちなんで名付けられた。根回り32.5mの切株の中は10畳ほどの広さの空洞になっていて、泉が湧きだし、小さな流れをつくっている。付近はモミ、ツガの針葉樹、ヒメシャラ、ハリギリ、カナクギノキ等の広葉樹が息づき、屋久島の森らしい様相を呈している。
 荒川登山口から縄文杉へ向かうルートの途中にあり、休憩と撮影スポットになっている。
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みどころ

ウィルソン株は縄文杉に向かう途中にあり、荒川登山口からウィルソン株へ向かうときは、8kmに及ぶトロッコ道を歩く。成長するのに年月がかかる屋久杉は材質が緻密で樹脂分が多く、腐りにくいのが特徴。そのため江戸時代以降、伐採した屋久杉を短冊形の平木にして島外に運び、主に屋根材として人々の暮らしを支えるとともに、年貢としても納められていた。トロッコ道は、その平木を運搬するために造られた道だ。
 苔や植物に包まれたしっとりとした林内を抜け、ウィルソン株に到着すると、そこは明るく開けた空間。大株を伐採したことで日当たりがよくなったのだ。空洞になっている切り株の内部に入って驚くのはその広さ。切り倒される前はどれほどの巨木だったのかと想像する。空を見上げると切り口がハート型に見える。伐採されてから400年が経つといわれているのに、根の近くには次世代の小杉が育っていて、屋久島の森の生命力を実感できる場所だ。