尚古集成館しょうこしゅうせいかん

島津家の歴史や文化と、集成館事業を紹介する博物館。仙巌園(せんがんえん)正面入り口の左手にあり、1865(慶応元)年に竣工した日本最古の石造洋式機械工場「旧集成館機械工場」の建物を使っている。島津家28代斉彬(なりあきら)は造船、造砲、ガラス製造、紡績などの事業を展開し、磯に一大工場群「集成館」を作った。薩英戦争でこれらの工場は破壊されたが、斉彬の死後、弟の久光と藩主に就いた忠義父子も富国強兵を進め、集成館機械工場や紡績工場などを作り、近代産業の基礎を築いた。
 現在の尚古集成館には、島津家ゆかりの品々である薩摩切子(きりこ)、梳綿機(そめんき)などが展示されている。
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みどころ

世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産*。幕末、西欧の知識を導入して近代化を進め、当時、薩摩は日本最高水準の工業力と技術力を有していた。その象徴が集成館だ。現在、博物館の尚古集成館では、イギリス式足踏旋盤や梳綿機、ローラー磨針機などを展示。この地が「日本の近代化・工業化発祥の地」ということが理解できる。
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補足情報

*世界遺産:世界遺産条約(1972(昭和47)年)に基づき、人類共通の宝物として未来の世代に引き継いでいくべき文化財や遺跡、自然環境として、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会により登録された有形の資産。文化遺産・自然遺産・複合遺産の3種がある。
*尚古集成館の隣には薩摩切子ギャラリーショップの磯工芸館がある。薩摩切子工場もあり、作業の様子を見学できる。
関連リンク 尚古集成館(WEBサイト)
参考文献 尚古集成館(WEBサイト)
『鹿児島県の歴史散歩』山川出版社、2005年

2020年09月現在

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