鹿児島市は、鹿児島県の県庁所在地で、九州の南端、鹿児島県本土のほぼ中央部に位置し、北は姶良市(あいらし)、西は日置市、南は指宿市などと接している。市街地は、鹿児島湾に流入している甲突川等の河川により形成された小平野部にあり、その周辺は、海抜100mから300mの丘陵地帯(シラス台地)となっている。
 JR鹿児島本線、日豊本線、指宿枕崎線の起点。2011(平成23)年には九州新幹線の博多―鹿児島中央間(鹿児島ルート)が全線開通した。
 江戸時代、鹿児島市は、禄高77万8千石、天下第二の雄藩で、薩摩・大隅(鹿児島県)・日向(宮崎県南部)の三国を治めた島津氏の城下町として発展してきた。
 近代日本の黎明、明治維新においては、薩摩藩の元勲の西郷隆盛、大久保利通などを筆頭にその原動力となったほか、政治、教育、文化などの各界で、幾多の人物を輩出している。
 鹿児島市は、第二次世界大戦の戦火で市街地の約9割を焼失したが、戦後は観光・商工業の発展とともに市域も拡大し、1967(昭和42)年4月には隣接する谷山市と合併、1980(昭和55)年7月には人口が50万人を突破、1996(平成8)年4月には中核市に指定されている。その後、2003年(平成16)年11月には、吉田町、桜島町、喜入町、松元町及び郡山町と合併し、政治・経済・社会・文化等、高次な都市機能が集積した南九州を代表する中核都市として発展を続けている。
 観光面では、雄大な桜島と波静かな錦江湾に代表される世界に誇れる自然と景観、幕末から明治維新にかけての歴史文化、温泉、焼酎、黒豚、黒牛、桜島大根をはじめとする豊富な食など、数多くの個性豊かな地域資源を有している。
 2013(平成25)年には、活火山と60万都市の共生が評価され、「桜島・錦江湾ジオパーク」が誕生し、2015(平成27)年には、鹿児島市の構成資産を含む「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に登録された。

観光資源一覧

桜島の写真

桜島 (鹿児島県 鹿児島市 )

鹿児島湾(錦江湾)を隔てて鹿児島市街の対岸約4kmにある火山島。桜島一周は約36km、車で約1時間。島といっても1914(大正3)年の噴火で大隅半島と陸つづきになっている。一つの山に見えるが、中央に北岳(1,117m)・中岳(1,060m)・南岳(1,040m)が南北に並ぶ成層火山*で、南岳は現在も活動を続け、断続的に黒い噴煙をあげて灰を降らせて...

尚古集成館の写真

写真提供:株式会社 島津興業

尚古集成館 (鹿児島県 鹿児島市 )

島津家の歴史や文化と、集成館事業を紹介する博物館。仙巌園(せんがんえん)正面入り口の左手にあり、1865(慶応元)年に竣工した日本最古の石造洋式機械工場「旧集成館機械工場」の建物を使っている。島津家28代斉彬(なりあきら)は造船、造砲、ガラス製造、紡績などの事業を展開し、磯に一大工場群「集成館」を作った。薩英戦争でこれら...

照國神社の写真

照國神社 (鹿児島県 鹿児島市 )

第11代藩主・島津斉彬(しまづ なりあきら)を祀る神社で、城山の麓に社殿を構えている。斉彬の死後、1864(元治元)年に創建され、別格官幣社に列格。建物は第二次大戦で戦災に遇い、拝殿は1958(昭和33)年に再建されたもの。鹿児島の総氏神様として県民に親しまれており、初詣には大勢の参拝客でにぎわう。境内に斉彬、久光の銅像が立ち、...

仙巌園の写真

写真提供:株式会社 島津興業

仙巌園 (鹿児島県 鹿児島市 )

1658(万治元)年に、島津家19代光久(みつひさ)によって築かれた島津家の別邸。目の前に広がる錦江湾(きんこうわん)を池、桜島を築山に見立てた壮大な大名庭園で、敷地面積は約1万5千坪。島津家歴代に愛され、篤姫や西郷隆盛も訪れている。  28代斉彬がガス灯の実験に用いたと伝わる鶴灯籠や、琉球国王から贈られた望嶽楼(ぼうがくろ...

おはら祭の写真

写真提供:公益社団法人 鹿児島県観光連盟

おはら祭 (鹿児島県 鹿児島市 )

南九州随一の繁華街、鹿児島市の天文館一帯で例年11月2日、3日に開催される、鹿児島の秋の風物詩。南九州最大のお祭り。1949(昭和24)年に鹿児島市制60周年を記念して始まった。「おはら節」「鹿児島ハンヤ節」などのおなじみの民謡に合わせて市民が踊る。

いおワールドかごしま水族館の写真

写真提供:いおワールドかごしま水族館

いおワールドかごしま水族館 (鹿児島県 鹿児島市 )

桜島と錦江湾を背景に、海沿いに立つ水族館。南北600kmにもわたる鹿児島県の海にこだわり、南西諸島のサンゴ礁域から、深海域のある内湾で、しかも活火山の海である錦江湾、そして黒潮の海まで、多様性に富んだ鹿児島の海と、そこに生きる生物たち、約500種30,000点を展示している。  人気の高い「黒潮大水槽」には、鹿児島沿岸で捕獲され...

桜島周辺地域の墓地の写真

桜島周辺地域の墓地 (鹿児島県 鹿児島市 )

桜島の「赤水湯之平口」バス停を降りると、道路の脇が墓所になっている。ここの墓はすべて屋根付き。四隅の柱で屋根を支え、その中に墓石と墓碑銘が立つ。一見すると壁のない小屋が密集したミニ集落のようで、墓と墓の間は細い路地になっている。これは桜島の降灰から墓を守るための知恵で、垂水市など桜島から近い地域には、同じような屋根...

鹿児島市 維新ふるさと館の写真

写真提供:鹿児島市 維新ふるさと館

鹿児島市 維新ふるさと館 (鹿児島県 鹿児島市 )

明治維新を支えた西郷隆盛や大久保利通らが幼少期を過ごした甲突川(こうつきがわ)沿いに立つ歴史観光施設「維新ふるさと館」。2018(平成30)年にリニューアルオープンした。明治維新をわかりやすく、楽しく学ぶための歴史観光施設で、薩摩の偉人・英雄列伝や篤姫のコーナー、「翔ぶが如く」「西郷どん」の世界が楽しめる大河ドラマシアタ...

鹿児島の黒豚料理の写真

写真提供:公益社団法人 鹿児島県観光連盟

鹿児島の黒豚料理 (鹿児島県 鹿児島市 / 鹿児島県 他 )

およそ400年前に、島津家久により琉球から移入されたのがかごしまの黒豚の起源とされる。明治初期にはイギリスから、肉質の良いバークシャーが導入され、以来、品種改良が進められてきた。昭和30年代半ばに経済効率のよい白豚が導入されて、一時期、黒豚頭数が激減したが、生産者をはじめとする関係者の努力で徐々に回復。今では全国的にもっ...