由布院温泉ゆふいんおんせん

すぐそばに聳える由布岳の麓、金鱗湖周辺に広がる温泉地。温泉湧出量は、別府温泉に次いで全国第2位の規模である。
 別府観光の礎を築いた油屋熊八が由布院開発の祖。田園風景を生かした保養地的な開発は、そのころより続いている。宿泊施設や立ち寄り湯などは、川沿いや林間など、広いエリアの中に点在している。宿はモダンな高級旅館をはじめ、瀟洒な和風旅館、湯治向けの旅館など、バリエーションも豊富。北原白秋や与謝野晶子など、文人墨客も数多く訪れており、保養地として名高い。
 由布院温泉を代表する観光スポットの一つが金鱗湖で、1884(明治17)年に儒学者・毛利空桑が、湖の魚の鱗が夕日に輝くのを見て名付けたと伝えられる。
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みどころ

湯量も源泉も豊富で、また宿の種類も多く、満足度の高い温泉地。個人客にターゲットを絞ったホスピタリティの高い宿が多いのも特徴である。中谷健太郎氏、溝口薫平氏など、先人らが地域一丸となって、歓楽街的な発展をしないよう心がけてきたこと、また、映画祭や音楽祭など、多様なイベントを仕掛けてきたことが奏功し、文化的な香りのある、ワンランク上の温泉地としての地位、ブランドを確立している。地場産野菜を使った各宿の料理にも定評がある。宿の垣根を超えて料理研究会を行うなど、温泉地全体として食のレベルをあげる取り組みを行ってきた成果と言える。
 由布院駅から金鱗湖方向に向かって延びる湯の坪街道沿いには、雑貨店やレストランが数多く立ち並ぶエリア。しばらく進むと金鱗湖。秋から冬の早朝には、気象条件によっては、朝霧に包まれた幻想的な風景を見られることも。訪れた際にはぜひ散策をおすすめしたい。

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