有田焼窯元群ありたやきかまもとぐん

有田は日本有数の磁器の産地。17世紀の初めに、朝鮮人陶工・李参平が泉山で陶石を発見したことに始まり、2016(平成28)年に有田焼創業400年を迎えた。町内に約100の窯があるが、県道281号沿いに展示即売する店が軒を連ねる。代表的な窯元としては柿右衛門窯・今右衛門窯・源右衛門窯のほか、香蘭社・深川製磁などがある。
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みどころ

点在する窯元をめぐるだけでも楽しい。特に、柿右衛門窯や今右衛門窯、香蘭社、深川製磁など、老舗大手の窯元では、ショップだけでなく古い時代の貴重な作品を展示するスペースや資料館もあり、併せて見学するとより楽しめる。有田内山地区の通りは1991(平成3)年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている美しい通りで、江戸時代後期から明治・大正・昭和初期までの貴重な建造物が軒を連ねている。建物はほとんどが有田焼を販売する商店で、まるでタイムスリップした感覚でウィンドーショッピングを楽しむことができる。できたら近くに宿泊し、2、3日かけて廻ることをお勧めしたい。
 また、町には、磁器の原料を掘り出した泉山磁石場や、古い窯跡である天狗谷窯跡、数々の名工の作品が奉納されている陶山神社などの史跡のほか、佐賀県立九州陶磁文化館をはじめ、陶磁器に関する美術館、博物館もあり、それらとともに廻ることで、より一層、有田の歴史を知ることができるので、必ず行くべきである。
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補足情報

*江戸時代、有田で作られたやきものを伊万里の港から国内及び海外へ輸出していたことから「伊万里焼」と呼ばれていた。現在は、伊万里市で作られるやきものを「伊万里焼」と呼び、江戸時代に有田で作られたものを「古伊万里」と呼び、区別している。