太宰府天満宮だざいふてんまんぐう

天満天神といわれ、学問の神菅原道真公*を祀る天満宮の総本宮である。901(延喜元)年、藤原時平に謀られ大宰権帥として大宰府に左遷され、失意のまま2年後にこの地で生涯を終えた道真公の霊を慰めるために建立された。梅の名所としても知られ、西鉄太宰府駅前から続く参道には梅ヶ枝餅を売る茶店が並び、春の初めには境内中の梅が咲きこぼれる。
 回廊をまわした朱塗りの御本殿は、1591(天正19)年、小早川隆景の再建。五間社流造、桧皮葺の建物で、正面に大唐破風の向拝がついている。鷽替え(うそかえ)・鬼すべ神事をはじめ、年間を通じて、太宰府天満宮ならではの神事や催しも多い。
 本殿に向かって右の枝ぶりのよい白梅は、道真公を慕って都から一晩で飛来したと伝わる有名な飛梅である。境内の梅は全体で約6,000本。早咲き・中咲き・遅咲きとあるので、1月下旬~3月上旬ごろまで楽しめる。特に本殿裏の北神苑と菖蒲池近くの東神苑の梅林がみごと(2月末~3月初めが見ごろ)。ほかに太宰府天満宮関係の宝物を展示する宝物殿、天然記念物の大樟やヒロハチシャノキ、歌碑・句碑などが点在し、東神苑の奥にはだざいふ遊園地、脇に九州国立博物館への入口がある。
 近年、境内でアートプログラムを展開している。宝物殿や菅公歴史館と九州国立博物館の入場ができるお得なセット券も用意されている。
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みどころ

西鉄太宰府駅を降り立つと、そこは多くの参拝客で賑わう参道。外国人客も多く、各国の言葉が飛び交い、梅ヶ枝餅を買い求める行列などでごった返している。そういった様子、楽しみも含めて太宰府天満宮参拝はここから始まっていると感じる。
 太鼓橋を越え、まっすぐ進んだ最奥に御本殿がある。毎年受験シーズンに合格祈願のニュースで取り上げられる、見慣れた朱塗りの御本殿と梅の木であるが、実際に目にする御本殿は程よい大きさで、檜皮葺の落ち着いた色合いと優美さが格式の高い雰囲気を与えている。
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補足情報

*菅原道真公:845~903年。平安中期の学者・政治家。宇多・醍醐天皇の信任が厚く、藤原氏を押えるため重用された。学閥では破天荒の出世をしたが、藤原時平によって、天皇廃立をはかったかどで大宰府に左遷された。道真が大宰府で亡くなると、京では異変が相次ぎ、道真の怨霊のたたりとうわさされ、恐れた朝延は正一位太政大臣を贈って神霊をなぐさめ北野天満宮などを造営したという。遣唐使の廃止や「日本三大実録」「類聚国史」の編纂でも知られる。
*志賀社:境内には心字池と菖蒲池の2つの池があり、心字池に架かる太鼓橋の橋際に末社の志賀社がある。1458(長禄2)年の建立と伝わる境内現存最古の建物で、方一間と小さいが、入母屋造の実に精巧な建物である。
関連リンク 太宰府天満宮(WEBサイト)
参考文献 太宰府天満宮(WEBサイト)
パンフレット「太宰府天満宮」
現地取得の案内
大宰府市(WEBサイト)

2020年04月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。