黒崎祇園山笠くろさきぎおんやまがさ

400年以上の歴史を持つ祇園祭で、北九州市八幡西区にある岡田神社(岡田宮)、春日神社、一宮神社に奉納される。毎年7月の3・4週目のなかで4日間にわたって開催され、前夜祭の山笠競演会に始まり、街中巡行、解散式と続く。黒崎祇園山笠は、お清めの儀式である「お潮井とり」を終えたのちに、山笠の装飾が、笹を2本立て注縄で繋いだ笹山笠から、武将などの人形が飾られた人形山笠に切り替わる。巡行する山笠は8基。大太鼓と小太鼓、鉦のほか、ほら貝を使った囃子も特徴的である。
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みどころ

山笠が特徴的。「お潮井とり」は笹山笠で行い、その後人形の飾山笠に切り替わること自体もユニークだが、人形山笠には電飾が施されており、夜になると煌々と明かりがつき、明滅を繰り返す工夫がなされているものもあり、興味深い。巡行する人形山笠のほうが一般には知られているが、通はお潮井とりの笹山笠も見学する。
 囃子は、ほら貝が独特だ。関ヶ原の戦いで黒田藩の使った陣太鼓の調子が取り入れられたとされ、大太鼓・小太鼓・鉦の調子とほら貝の音色から、どことなく戦さ場のような勇壮さが感じられる。みどころはいくつもあるが、祭り最終日の解散式は見逃せない。全山笠が集結し、車輪を軸に山笠をくるくると回す「回し練り」が随所で見られ迫力満点だ。