北九州市立松本清張記念館きたきゅうしゅうしりつまつもとせいちょうきねんかん

現在の北九州市小倉北区に生まれ育った松本清張(1909~1992年)。朝日新聞西部本社広告部時代に小説の発表を始めた。1953(昭和28)年、芥川賞受賞。雑誌『旅』(日本交通公社刊)に連載され、刊行後大人気となった「点と線」など、社会派推理小説という新ジャンルを切り開いた。記念館では現代・推理小説をはじめ、現代史、古代史など幅広いジャンルで活躍した氏の創作活動に関する資料を収蔵・展示している。地下1階、地上2階建ての館内には、東京都杉並区にあった自宅の書庫、応接室、書斎などが再現されている。
 また、松本清張に関する研究拠点でもあり、データベース化された全作品・全著作リストを閲覧できるほか、各分野の専門家による研究誌『松本清張研究』をミュージアムショップで求めることができる。
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みどころ

松本清張という一人の作家にフィーチャーした記念館だけあって、氏の全仕事を網羅している。実物資料やグラフィックパネルを生かした展示でわかりやすい。館内に再現された書斎や応接間、書庫などは、氏の創作活動を彷彿とさせる展示で興味深い。蔵書など資料3万点の展示は圧巻。
 代表作「日本の黒い霧」を題材に、資料フィルムや写真などで構成したオリジナルのドキュメンタリー映像「日本の黒い霧—遥かな照射」はここでしか見られない貴重なもの。