戸畑祇園大山笠とばたぎおんおおやまがさ

毎年7月の第4土曜日を挟む3日間に行われる。博多祇園山笠、小倉祇園太鼓とともに福岡県夏の三大祭りの一つとされる。起源は1803(享和3)年。疫病が戸畑地区で広まった折、疫病退散を須賀大神に祈願すると御神徳により平癒したため、山笠をつくり祝ったことが始まりといわれる。
 山笠は戸畑区内にある4地区により展開され、それぞれ東大山笠、西大山笠、中原大山笠、天籟寺大山笠という。
 昼は幟、夜は提灯へ姿を変える大山笠が見ものである。昼は古式豊かな12本の大幟を立てた大山笠が、中学生らが担ぐ小若山笠を従えて区内を練り歩く。夜に入ると幟や装飾を取り払い、309個のちょうちんを12段に重ね、高さ10m、重さ2.5tの「光のピラミッド」となる。

※「戸畑祇園大山笠」の「祇」の字は、「しめすへん(ネ)」に「氏」。
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みどころ

大山笠の装飾がすばらしい。昼の幟山笠は、「見送り」と呼ばれる、山笠の背後に付けられた円形の台座に、金糸の刺繍を施した飾りが美しい。刺繍の図柄は4地区で異なる。山笠台を覆う、武者絵を縫い取られた幕も合わせて注目してほしい。夜は提灯大山笠に変身。昼山から夜山へと姿を変える祭りは全国でも珍しいとされ、スピーディに櫓を組み、提灯を掛け替えるさまは圧巻だ。
 祭り中日に行われる大山笠競演会がクライマックス。4基の大山笠に加え、小若山笠4基の計8基が一堂に集まる。提灯を連ねた大山笠の群れが練り歩くさまは、豪壮の一言に尽きる。