竜串・見残したつくし・みのこし

土佐清水市の西に位置する千尋岬(ちひろみさき)の西側の海岸一帯が、海中も含めて「竜串海域公園」(旧・海中公園)になっており、足摺宇和海国立公園内に位置している。見残し海岸は千尋岬の西岸で、竜串海岸は三崎川河口をはさんだ竜串漁港から足摺海底館(海中展望塔)のあたりまでをいう。漁港の西側が外海に突き出ており、大竹・小竹、らんま石、かぶと石、鯉の滝登りなどと名づけられた奇岩・奇勝が点在している。
 この周辺には足摺サニーロード(国道321号)が通っており、サニーロード沿いのバス高知西南交通「竜串」付近には、「ぐるっと竜串イーストパーク」があり、無料駐車場も併設。竜串イーストパーク周辺には、観光汽船営業所や宿泊施設、レストラン、「海ギャラテラス」(飲食店、売店、公衆トイレ)、貝殻展示館「海のギャラリー」などが並んでいる。また、すぐ近くには桜浜海水浴場海があり、マリンスポーツやマリンレジャー、夏季には海水浴も可能である。加えて、海岸沿いには奇岩エリア(竜串海岸)があり、海のギャラリー前から桜浜海水浴場まで、1周30分ほどの遊歩道が通っている。
 また、桜浜海水浴場に面して足摺海洋館「SATOUMI」があり、竜串ビジターセンター「うみのわ」も隣接している。更に西側には、「ぐるっと竜串ウエストパーク」があり、無料駐車場やドックラン、遊具、展望台、公衆トイレも備わっており、ファミリーで楽しめるスポットになっている。
 見残しの名は、竜串周辺を訪れた弘法大師が、この景勝地を見残したからという説が残っている。見残し海岸へは、グラスボートで船着場に送り迎えしてくれ、船内では、海中のテーブルサンゴや多様な魚たちを船底で見ることができる。竜串海岸同様の砂岩や溶岩への浸食による不可思議な地形が、一層のスケールで見ることができる。また遊歩道は岩肌に手をかけながら狭い箇所を通ったり、岩づたいに浅瀬を越えたり、冒険気分を満喫できる。岬先端に近くの屏風岩で引き返し、帰路は展望台へ寄って戻る。写真を撮りながらゆっくりまわって1周1時間程度。この屏風岩は、海底の泥に自然が描いた波形の模様が地殻変動で隆起したもので、この一帯に多い化石漣痕の典型である。帰りは、個々人の周遊の時間に合わせて船を選ぶことになる。そのほかに竜串の海中をのぞくには、足摺海底館の海中展望塔からも眺めることができる。
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みどころ

1970(昭和45)年に日本ではじめて海中公園として指定されたエリアである。透明度の高い海の中の色とりどりの熱帯魚やテーブルサンゴを見て、さらに「地質教材の宝庫」の海岸で海風を感じながら奇岩を間近に冒険気分で探勝したい。雨が降ると透明度が落ちるので、海中をのぞくのは晴れた日が続いている時がベスト。奇岩鑑賞の道行きでは冒険中の観光客や釣り人と言葉を交わすのも楽しい。観光地の雰囲気は変化途上か。竜串海岸の西半分は昭和レトロの香りがする観光地、海水浴場付近から東はモダンな水族館やキャンプ施設ができいかにも現代的なレクリエーションエリアになっていて対照的。
関連リンク 高知県土佐清水市(WEBサイト)
参考文献 高知県土佐清水市(WEBサイト)
竜串ビジターセンター「うみのわ」(一般社団法人土佐清水ジオパーク推進協議会)(WEBサイト)
竜串観光振興会「出会いの観光地、竜串・見残し」(WEBサイト)
『土佐清水足摺宇和海国立公園観光ガイドブック』パンフレット 土佐清水市

2023年04月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

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