高知城こうちじょう

高知市中心部にあり、現在は高知公園として整備されている。バスまたは路面電車「高知城前」下車。日曜なら「蓮池通(はすいけどおり)」下車で追手筋の「日曜市」を抜けて城へ向かうのも良い。
 17世紀初頭・慶長年間築城の平山城。城の立つ大高坂山(おおたかさかやま)は南北朝時代から軍事拠点として利用されてきた。二本の川に挟まれた城山で当初「河中(こうち)山城」とよばれた(1610(慶長15)年「高智」と改めた)。今も城下町から仰ぎ見ることができる天守は、再建二代目で1747(延享4)年上棟で、復古様式の天守の代表的遺構*とみなされている。天守以外に本丸御殿、その他15の近世の建造物が現存。廃城例や高知大空襲でも破壊されず本丸の建物がほぼ受け継がれていることは奇跡的といわれる。なお山内家から県に移管された6万7,000に及ぶ大名家資料を基幹所蔵資料として、2017(平成29)年3月追手門前に高知県立高知城歴史博物館が開館した。
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みどころ

高知城は外観的な風情はもとより、藩主居城の本丸御殿の間取りや設え、特に欄間は見事である。また、戦闘上の備えであった「忍返(しのびがえし)」や「物見窓つきの土塀」、また台風、豪雨の気象に対応した「石樋(いしどい)」といった水処理技術の遺構など、先人の仕事が大変興味深い。天守からの眺望は、近景では城の造り、遠景では市街地と海岸の間に丘陵が点在する地形がよくわかる。木々の緑、苔むした石垣も美しい。
 高知城は高知のランドマークであり、公園として市民の憩いの場でもある。季節の良い時期には、追手門付近の木陰に置かれたテーブルで碁を指す姿などがよく見られる。また、園内は花見の時期をはじめ折々にイベント会場として使われている。
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補足情報

*復古様式の天守の代表的遺構:近世の大火後の再建時に新しい架構法を用いつつ、天守台を築かずに櫓の上に高欄付の望楼を重ねる初期天守の外観意匠を残したとみられている。今日残存するその形が真に初代天守の復古型式であれば、天守望楼最古ともいわれる元和年間(1615~1624年)の丸山城や犬山城の天守よりも古い型式を今に伝えるものと高知城を位置付けることができる。
関連リンク 高知城(高知城管理事務所)(WEBサイト)
参考文献 高知城(高知城管理事務所)(WEBサイト)
『大学的高知ガイド』(「高知城ー天守は復古形式と新しい手法の統合か」三浦要一)高知県立大学文化学部(編) 株式会社昭和堂
『大学的高知ガイド』(「高知県立高知城歴史博物館」渡部淳)高知県立大学文化学部(編) 株式会社昭和堂
『高知県の歴史散歩』高知県高等学校教育研究会歴史部会(編) 山川出版社

2023年04月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

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