龍河洞りゅうがどう

土佐山田駅の東8km、バス20分。高知龍馬空港から車で15分、土佐くろしお鉄道阿佐線(ごめん・なはり線)のいち駅から8分、南国インターから25分。日本三大鍾乳洞のひとつ。標高322m三宝山中腹北方向きに開口した総延長で約4kmの鍾乳洞。
 1931(昭和6)年に地元中学校教諭らの探検でそれまで知られていなかった上部開口部やその付近の弥生期穴居生活の跡をふくめた洞窟の全貌があきらかになった。1934(昭和9)年に国の史跡・天然記念物に指定。1970(昭和45)年代「県観光の4番バッター」(高知新聞)。日本特有の地質を観測できる「日本地質百選」(120か所)にも選ばれている。
 龍河洞博物館は入場無料の付帯施設。
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みどころ

観光コースは入口の龍王神社から約1km。洞内は所々狭くなる通路を体を曲げて冒険気分で通り抜けながら、洞窟内の階段を昇ったり降りたりする。非日常感のなかで、花や植物、雲、神仏像などさまざまなものになぞらえられた洞窟生成物が幻想的にライトアップされて眼前に現れる。コースの終わり近くの上部出口付近には弥生時代の住居跡がある。居室や炉の跡だったらしい計3室が示される。この関連の遺物が多数出土している。なかでも鍾乳石に巻き込まれ固定されてしまった土器が「神の壺」と名づけられている。世界的に類例がないのだという。
 一般の観光コースの他につなぎやヘッドランプのヘルメット着用でナビゲーターと暗闇を進む予約制の冒険コースがある。なお今日では、自然資源としての龍河洞を楽しむほかに、この古くからの観光地の歩みをうかがう面白さもあるだろう。商店街にはそばなどの飲食店のほか、昔ながらの土産物店が幾つかあって昭和レトロ的な趣がある。