香美市は、県東部に位置し、安芸市、南国市、香南市、本山町、大豊町、徳島県三好市、那賀町と接する。
 物部川が中央を南下。上韮生川、槇山川など多くの支流が流れ込み、それらの流域に棚田や集落が点在する。また物部川、国分川流域には高知平野の一部となる香長平野が広がる。1,000mから1,800mの高峰が周囲にそびえることから急峻で市域の約9割を占める森林は国定公園、県立自然公園等に指定されている。JR土讃線、国道32号、195号が通じる。
 江戸時代初期、土佐藩執政野中兼山によって、物部川が香長平野に出る辺りに巨大な山田堰が築かれ、用水路が開かれて香長平野の開発が進んだ。用水の一つである舟入川は物部川上流域の物資を高知城下に輸送するのに利用され、現在の土佐山田町市街地にあたる山田野地町は舟入川で運ばれた物資の集散地として交易の一中心となった。
 物部川中流域の香北町地区は江戸時代から良質米を産し、現在も韮生米として知られ、ヤッコネギ、春菊、大葉、ニラ、オクラ、ショウガ、柚子や苗木の栽培も多い。特に柚子玉出荷量は日本一である。他に予約注文で売り切れる幻の桃「かりかり桃子」の栽培もおこなっている。産業はスギ・ヒノキの用材生産、特産の打刃物は土佐打刃物として伝統的工芸品に指定されている。この他、竹細工やフラフ(端午の節句に立てる大旗)がある。
 三宝山に石灰洞窟の龍河洞(国指定史跡・天然記念物)があり、内部の弥生中期の遺跡から石灰華に包まれた長頸壺が発見されている。他、土佐南学を再興した谷重遠の墓(国史跡)、三嶺・天狗塚のミヤマクマザサ及びコメツツジ群落(国天然記念物)、「土佐の神楽」(国指定重要無形民俗文化財)が伝わる。市の約9割を占める森林の多くは剣山国定公園、奥物部県立自然公園、龍河洞県立自然公園に指定されている。また、物部川及び支流は高知県でも有数のアメゴ、アユの釣り場で、カワセミ、ホタルなども観察され、紅葉で名高いべふ峡、轟の滝(日本の滝百選)等がある。

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龍河洞の写真

龍河洞 (高知県 香美市 )

土佐山田駅の東8km、バス20分。高知龍馬空港から車で15分、土佐くろしお鉄道阿佐線(ごめん・なはり線)のいち駅から8分、南国インターから25分。日本三大鍾乳洞のひとつ。標高322m三宝山中腹北方向きに開口した総延長で約4kmの鍾乳洞。  1931(昭和6)年に地元中学校教諭らの探検でそれまで知られていなかった上部開口部やその付近の弥生...