(金山)出石寺(きんざん)しゅっせきじ

大洲市と八幡浜市との境、標高812mの出石山(いずしさん)山頂にあり、石鎚山や大野ヶ原などの四国連山などが一望できる寺院である。境内は豊かな自然林に覆われ、本堂や庫裏、護摩堂、大師堂などが荘厳なたたずまいを見せており、静寂で心休まる雰囲気に包まれている。
 本尊である千手千眼観世音菩薩には伝説が残されており、寺伝によると、718(養老2)年、猟師が鹿を追い山に分け入ったところ、山中に地鳴りが響き渡り岩が割け、本尊が姿を現したと伝えられている。
 その他にも、藤堂高虎*が朝鮮出兵の際に持ち帰ったとされる「朝鮮鐘」(国重要文化財指定)など、見どころの多い寺院となっている。
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みどころ

境内は自然林に覆われ、本堂や庫裏、護摩堂、大師堂などとともに、霊気に満ちた荘厳なたたずまいを見せている。本尊である千手千眼観世音菩薩の他に、藤堂高虎が朝鮮出兵の際に持ち帰ったとされる国の重要文化財に指定されている「朝鮮鐘」など見どころが多い。
 同寺の参道脇には約3,000株のあじさいが植えられており、標高が高いため、開花時期は平地より半月〜1か月ほど遅く、7月中旬には見頃を迎え、色鮮やかなあじさいが参道を彩り、人々の心を癒してくれる。
 山頂からは、遥か中国・九州や石鎚山をはじめ、四国連山が遠望でき、特に、早朝の雲海から昇る朝日は実にすばらしく参拝者に深い感銘を与えている。
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補足情報

*藤堂高虎:1556~1630年。近江の人。浅井長政、羽柴秀長らに仕え、のち豊臣秀吉の下で伊予七万石を受領。関ガ原の合戦、大坂冬・夏の陣では徳川方につき、伊勢・伊賀32万石の大守となる。築城の才に優れる。