西山興隆寺にしやまこうりゅうじ

西条市丹原の西約3.5kmの山中にあり、養老年間(717~724年)に空鉢(くうばち)仙人が草庵を結んだのに始まり、桓武天皇のときには勅願寺となった。以来、千有余年、東予随一の霊地として信仰を集め、1187(文治3)年、源頼朝の帰依を得て、堂宇が造営されたが、現在の本堂は1375(文中4)年の建立で、石垣上に客殿や三重塔などとともに城のような堅固なたたずまいを見せている。
 さらに、杉や桧の古木がうっそうと茂り境内を昼なお暗くし、地方にはまれな大寺院の風格を漂わしている。国指定文化財である本堂*、宝筺印塔、銅鐘をはじめ、多くの文化財を有している。四季の景色も素晴らしく、名勝として県指定を受けている。
 四国八十八ケ所霊場の番外霊場として創設された四国別格二十霊場の第十番となっている。
#

みどころ

県下髄一の紅葉の名所として有名で、「紅葉の西山興隆寺」として知られており、JR壬生川駅から車で8km程度の場所にある。山中なので坂道を登っていく必要があるが、近くに駐車場もあるのでアクセスしやすいのが嬉しい。
 木々に囲まれた参道を登っていくと国の重要文化財に指定されている本堂へたどり着く。本堂や銅鐘など多くの文化財を有しており、歴史のある建物からは自然に融合しながら威厳のある佇まいを感じることができる。
 紅葉の季節では周囲の山々と溶け込んだ景観が実に見事で、11月終わりから12月初旬が見頃となり、「もみじ寺」として名高い。春にはあでやかにソメイヨシノやシダレザクラも咲き誇り、初詣や秋の紅葉と年間を通じて参拝観光客も多く訪れている。
#

補足情報

*本堂:正面5間、側面6間、単層、寄棟造である屋根は銅板葺、宝形造のように見える。