陸軍芸予要塞来島要塞りくぐんげいよようさいくるしまようさい

今治市波止浜港から渡船で10分の来島海峡に浮かぶ周囲3kmの小島にある。日露戦争(1904(明治37)年~1905(明治38)年)当時、大日本帝国がロシア艦隊の来襲に備えて造られた芸予要塞がそのまま残っており、砲座跡、展望司令塔、赤レンガの地下兵舎、弾薬庫などが点在し、ツバキ並木の遊歩道で結ばれている。
 芸予要塞は1922(大正11)年に廃止され、小島砲台は1926(大正15・昭和元)年に航空機による爆撃演習の標的となった後、地元今治市(旧波止浜町)に払い下げられ、公園として整備されて今日に至っている。
 近年は、しまなみ海道(尾道~今治)の貴重な観光資源として、地元による顕彰活動の結果、その知名度は飛躍的に向上している。
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みどころ

保存状態がよく、明治時代(日露戦争以前)に作られた要塞がしっかりと残っていて、日本の近代化遺産(軍事遺跡)としての価値は高い。NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」(2009(平成21)年~2011(平成23)年放送)の撮影のために製作された原寸大榴弾(りゅうだん)砲レプリカが、小島港のすぐ近くの観光休憩所前に据えられている。
 小島砲台各遺構の状態は、日本各地の要塞遺構の中ではトップクラスの保存状態であり、これは、払下げ当初から史跡公園として整備した旧波止浜町の熱意によるものが大きい。
 子供のための自然体験施設「風の顔ランド小島」も整備されており、歴史散策や子供たちの学習・自然体験の場として重要な拠点となっている。
関連リンク 今治市(WEBサイト)
関連図書 えひめ地域政策研究センター 『えひめの近代化遺産』、今治市 『今治の旅』
参考文献 今治市(WEBサイト)
瀬戸内海国立公園小島(公益社団法人今治地方観光局)

2022年11月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。