今治城いまばりじょう

関ヶ原の戦いでの戦功により伊予半国20万石を領した藤堂高虎が、瀬戸内海に面した海岸に築いた大規模な平城。香川高松城、大分中津城と並んで「日本三大水城」の1つに数えられる海の城。海砂が吹き揚げる海辺につくられたため、別名として吹揚城(ふきあげじょう)とも呼ばれる。
 1602(慶長7)年に築城を始め、建造物も含めて完成したのは同1608(慶長13)年頃と推測される。幅約50mの広大な内堀や、城内の港として国内最大級の船入を備えた日本屈指の海城であった。
 明治維新後に建造物のほとんどが取り壊され、内堀と主郭部の石垣を残すのみとなった。1953(昭和28)年に愛媛県史跡に指定され、現在では天守をはじめとする櫓、城門などの再建が進み、雄大な城郭の姿を見せている。
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みどころ

城郭の雄大さや美しさが魅力である。広大な内堀と高い石垣、そして五層の雄大な天守なども見どころとなっている。
 内堀には海水が引きこまれているため、潮の干満で水位が変わり、ボラやチヌ(黒鯛)などの海水魚がたくさん泳いでいる。天守の最上階に上れば、今治平野・瀬戸内海・四国山地を一望することができ、天候により石鎚山まで見渡すこともできる。360度ぐるりと城下を見渡せば、お殿様気分を味わえる。また、今治城の内部は、今治城・今治藩の資料を中心とした郷土歴史資料館となっており、甲冑や刀剣類などの展示が充実している。
 夜間ライトアップを実施しており、約100個の照明を石垣部分や天守に設置している。暖色系の色で、城が立体的に浮かび上がり、堀の水面には天守や石垣が映り、幻想的な光景となる。