四国カルストしこくかるすと

愛媛県と高知県との県境にまたがる約25kmのカルスト*台地で、山口県の秋吉台、福岡県の平尾台に並ぶ日本三大カルストの一つであり、標高が高いことが特徴となっている。
 東部の標高1485mの天狗ノ森をピークにゆるやかな起伏の続く天狗高原、ほぼ中央の周辺に位置し、高山植物や200頭余りの牛が放牧され、のどかな風景が広がる姫鶴平(めづるだいら)、その東に続く標高1456mの五段城を頂点に緑いっぱいの草原の中に露出した石灰岩が白く輝いて美しい五段高原、溶食によって地面が溶けて周りよりもへこんだ凹(おう)地であるカルストドリ-ネが散在し、羅漢穴(らかんあな)などの鍾乳洞も見られる西部の大野ケ原などに分かれており、一帯が四国カルスト県立自然公園に指定されている。
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みどころ

日本三大カルストの中では最も標高が高く、標高1000mから1500mに連なるカルスト台地では、高原の雄大な景色や当地に自生する珍しい高山植物は見ごたえ抜群である。白く輝く石灰岩や緑いっぱいの草原、放牧された200頭余りの牛たちが織りなす風景は「日本のスイス」と称されており、シーズンである春から秋にかけては観光客で賑わい、天気の良い日には四国連山が一望でき、雲の上の大パノラマを見ることができる。
 ドライブルートである「四国カルスト公園縦断線」は別名「天空の道」と呼ばれ、青い空と連なる山々を望みながら、まるで天空を走り抜けているかのような爽快なドライブを楽しむことができる。
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補足情報

*カルスト:溶食作用の発達した石灰岩地特有の地形を意味し、同地形であるユーゴスラビアのカルスト地方の名から付けられた。日本のおもなカルスト地域は、中国・四国・九州地方に集中し、なかでも中国地方に顕著である。