久万高原市は、愛媛県の中央東部に位置する。北部は松山市、東温市、西条市、西部は砥部町、内子町、西予市に接し、東・南部は四国山地の山々で高知県と接する。町域の約9割が林野で、平均標高約800mと愛媛県下で最も広く高い中山間地の町。
 国道33号、380号、440号、494号が通る。鉄道はない。2012(平成24)年に松山市へ通る三坂道路が開通した。
 旧美川村域にある縄文時代の上黒岩岩陰遺跡(国指定史跡)からは神像を描いた刻線礫が出土している。中世は三坂峠を擁する東明神に大除城が築かれた。
 仁淀ブルーとして近年有名な一級河川仁淀川の源流である面河川・久万川が縦走する水源地域。石鎚山をはじめとする四国山地に囲まれた山間の地域で、標高300m~1,000m地帯に人家や農地が点在。西部の松山市境にある三坂峠は古来土佐との往来の最大難所であった。
 主産業は林業と農業。久万林業として知られるスギ・ヒノキを中心とする全国有数の林業地。農業はダイコン・トマト・ピーマンなどの高冷地野菜や果樹栽培が行われている。
 石鎚山一帯は石鎚国定公園に含まれ、南麓の面河渓は四国最大級の渓谷で国指定名勝。ふるさと村、農業公園等の体験施設、美術館、天文観測館、山岳博物館等の文化施設、上黒岩遺跡や四国霊場等の歴史遺産等がある。四国の軽井沢とも呼ばれ、避暑地・行楽地として知られる。

観光資源一覧

面河渓の写真

面河渓 (愛媛県 久万高原町 )

面河渓は石鎚山の南麓に位置する四国最大の渓谷で、結晶片岩を基盤とし、深成岩・変成岩が併入して形成されている。そのため、奇岩・断崖は黒・白・赤と様々な色彩を持ち、地質学上でも変化に富んだ峡谷美である。  面河渓の入口はバス停近くの両岸に70mもの絶壁が迫る関門(かんもん)で、鉢巻岩、面河川と鉄砲石川が合流する想思(そうし...

八釜の甌穴群の写真

八釜の甌穴群 (愛媛県 久万高原町 )

面河川の支流黒川の上流、堅いフリント質角岩の川床に生じた甌穴*群である。甌穴が密接して一群となっているのは全国的にも珍しく、国の特別天然記念物に指定されている。大小35個が5群に分かれ、中でも大きいトンネル釜、獅子釜、メガネ釜など、それぞれに名前が付けられている8個の甌穴が目立ち、その形が釜に似ていることから八釜と名付...

岩屋寺の写真

岩屋寺 (愛媛県 久万高原町 )

岩屋寺は四国霊場八十八ケ所第45番札所で、創建は815(弘仁6)年といわれている。三宝鳥(さんぽうちょう=コノハヅク)、慈悲声鳥(じひせいちょう=ヤマガラ)、鉦鼓鳥(しょうこちょう=キジバト)、鼓鳥(つづみどり=ホトトギス)、慈悲心鳥(じひしんちょう=ジュウイチ)、鈴鳥(すずどり=キビタキ)、笛鳥(ふえどり=ヒヨドリ)の...

四国カルストの写真

四国カルスト (愛媛県 久万高原町 / 高知県 津野町 )

愛媛県と高知県との県境にまたがる約25kmのカルスト*台地で、山口県の秋吉台、福岡県の平尾台に並ぶ日本三大カルストの一つであり、標高が高いことが特徴となっている。  東部の標高1485mの天狗ノ森をピークにゆるやかな起伏の続く天狗高原、ほぼ中央の周辺に位置し、高山植物や200頭余りの牛が放牧され、のどかな風景が広がる姫鶴平(め...

石鎚神社の写真

石鎚神社 (愛媛県 西条市 / 愛媛県 久万高原町 )

石鎚神社は日本七霊山の一つ石鎚山を神体山(神しずまります山)とする神社。山麓にたつ口之宮本社(くちのみやほんしゃ)、石鎚山中腹(7合目)の中宮成就社(ちゅうぐうじょうじゅしゃ)と土小屋遥拝殿(つちごやようはいでん)、石鎚山頂の奥宮頂上社(おくのみやちょうじょうしゃ)の4社を総称したものである。  祭神は石鎚毘古命(い...

石鎚山の写真

石鎚山 (愛媛県 西条市 / 愛媛県 久万高原町 )

西日本最高峰の石鎚山は標高1,982m、四国の屋根であり、西条市と久万高原町の境に位置する日本百名山の一つである。主峰の天狗岳を中心に、弥山、南尖峰の三山からなり、東西に石鎚山系の山々が連なって四国の背梁山地を形成している。  富士山、立山、白山、大峰山、釈迦ヶ岳、大山とともに、日本七霊山の一つにも数えられる信仰の山とし...

皿ヶ嶺の写真

皿ヶ嶺 (愛媛県 東温市 / 愛媛県 久万高原町 )

皿ヶ嶺は石鎚山系の西部に位置し、皿ヶ嶺連峰県立自然公園に指定されている。山名は山頂の近くに皿のような平坦地があることに由来しており、標高は1,271mである。動植物の宝庫といわれており、特に、山野草の宝庫で四季折々の植物を観賞できる。山頂から、久万高原町や石鎚連峰を望むことができる。  山麓から中腹までは自動車で通行可能...