八釜の甌穴群やかまのおうけつぐん

面河川の支流黒川の上流、堅いフリント質角岩の川床に生じた甌穴*群である。甌穴が密接して一群となっているのは全国的にも珍しく、国の特別天然記念物に指定されている。大小35個が5群に分かれ、中でも大きいトンネル釜、獅子釜、メガネ釜など、それぞれに名前が付けられている8個の甌穴が目立ち、その形が釜に似ていることから八釜と名付けられた。最も大きいものは直径9~12m、深さ14mもあり、自然の威力をまざまざと感じさせる。甌穴群の周りは遊歩道が整備されており、迫力のある景観を存分に楽しむことができる。
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みどころ

川幅25m、長さ65mの間に川床の硬質のフリント質角岩が渦龍によって形成された甌穴群で最も大きい物は直径9~12mもあり、国の特別天然記念物に指定されている。8個の甌穴が目立ち、その形が釜に似ていることから八釜と名付けられたが、大小合わせて35個の甌穴があり、一つとして同じものはなく、自然の神秘を感じるその景観は見ごたえ抜群である。
 特に、水量が多いときの八釜は圧巻で、水の轟音と勢いは圧倒的といえる。夏には清涼感たっぷりのオアシスとして親しまれ、秋には紅葉を楽しめるなど、季節の移ろいを感じることもできる。
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補足情報

*甌穴:岩盤上の小さな凹所に入った石が、水流によって回転し、次第に大きな穴を造って生じる。