面河渓おもごけい

面河渓は石鎚山の南麓に位置する四国最大の渓谷で、結晶片岩を基盤とし、深成岩・変成岩が併入して形成されている。そのため、奇岩・断崖は黒・白・赤と様々な色彩を持ち、地質学上でも変化に富んだ峡谷美である。
 面河渓の入口はバス停近くの両岸に70mもの絶壁が迫る関門(かんもん)で、鉢巻岩、面河川と鉄砲石川が合流する想思(そうし)渓と豪快な景観が続く。さらに行くと、滑らかな広い川床が、水の青、苔の黒、岩の白、藻の緑に秋の紅葉の赤を加えた五色で彩られる五色河原に着き、対岸に高さ100m、幅200mの大岩壁である亀腹(かめはら)が現われる。鶴背橋を渡ると探勝路は森林の中に伸び、すぐ右手に蓬莱(ほうらい)渓、白色の河床をみせる紅葉河原があり、1km余りで下熊淵・上熊淵に至る。さらに上流に虎ガ滝・阿弥陀淵・御来光の滝などの景勝があるが、険しく、上熊淵あたりで戻るのが一般的である。
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みどころ

石鎚山の南麓、面河川の上流約10kmにわたる面河渓は四国最大の渓谷であり、形成される岩の種類の影響で断崖や奇岩は様々な色彩を持ち、見ごたえのある渓谷美を作り出しており、エメラルドグリーンに輝く清流・面河川が流れる国指定の名勝である。手つかずの自然が残っており、日本の自然百選にも選出されている。
 面河山岳博物館の駐車場から、通天橋まで川沿いに続く約600mの遊歩道が整備されており、両側に切り立った奇岩が迫る関門や、神秘的な雰囲気が漂う空船橋など、片道15分で手軽に渓谷美を堪能できる。(令和5年1月現在、空船橋付近は落石の恐れがあるため通行止めとなっており、通り抜けができない)ウォーキングコースを巡ると、清流と豊かな緑を感じながら気軽に自然と触れ合うことができ、春は青々とした新緑が見られ、夏は天然のクーラーで気温20℃程度と涼しく、秋は紅葉が見られるなど四季折々の風情を感じながら散策を楽しむことができる。