滑床渓谷なめとこけいこく

滑床渓谷は足摺宇和海(あしずりうわかい)国立公園の一角で、宇和島市と松野町にまたがり、鬼ヶ城山・三本杭・高月山など1,000m級の山々に抱かれた長さ12kmに及ぶ渓谷である。その両側には自然探勝道*が取り付けられており、出合滑(であいなめ)・岳見岩(だけみいわ)・雪輪の滝(ゆきわのたき)・千畳敷(せんじょうじき)などの景勝が続く。渓谷全体の花崗岩の岩盤が清流で洗い清められ、柔らかな滑らかさを持っており、なかでも、高さ80mの岩肌に、美しい雪の輪のような水紋を描きながら流れ落ちる雪輪の滝が一番の見所で、日本の滝100選にも選定されている。
 この川は四万十川水系の支流でもあり、運が良ければ野ザルに遭遇することもある。また、ハイキングコースとして、万年橋から宇和島市の南東にある野川登山口まで渓谷と峠を越える探勝コースや、鬼ヶ城山魂の峰々への登山コースもある。
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みどころ

2つに割れた巨岩の上に、更にバランス良く岩が乗っている鳥居岩は、自然の奇跡ともいえる景観で、近寄りがたい神秘さを感じさせる。
 夏は天然のウォータースライダーが楽しめるキャニオニングスポットとして賑わい、アマゴやニジマスなどの渓流釣りも楽しむことができる。秋は包まれるような紅葉が広がり、寒波の年には立派な氷瀑が見られるなど、四季を通じて秘境の自然を全身で感じ、癒しを得ることができる。
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補足情報

*自然探勝道:万年橋から雪輪の滝まで往復1時間、岩畳が見事な広がりをみせる千畳敷まで足をのばして2時間。
 森の国ホテルの別館「水際のロッジ」が2020(令和2)年3月にオープンし、地元食材を使用したイタリア料理が楽しめる他、トレッキングやネイチャーツアーなどの体験プログラムも実施されている。ホテル本館のオープン時期は、2021(令和3)年1月時点では未定。