宇和島市は、愛媛県西南部に位置し、北は西予市、東は鬼北町・松野町、南は愛南町・高知県宿毛市、同県四万十市に接する。4つの有人島と多くの無人島がある。
 来村川、薬師谷川、須賀川等の他、四万十川の支流である三間川も流れる。西は宇和海に面し、典型的なリアス式海岸が続く。東側の鬼ヶ城連峰は海まで迫る急峻さを備え、起伏の多い複雑な地形。海岸部の平野や内陸部の盆地に市街地や集落が点在。面積の70%は森林が占める。
 国道56号、320号、378号、381号が通る。高速道路は松山自動車道、四国横断自動車道が通る。JRは予讃線が通じ、北宇和島駅で高知方面と繋がる予土線と連絡する。
 近世初頭までは板島とよばれ、1615(慶長20・元和1)年に伊達秀宗が宇和10万石で入り、宇和島と改称した。以後伊達氏宇和島藩の城下町となった。
 明治以降、製糸をはじめとする繊維工業が行われていたが、戦後は食品加工、木工家具、造船業などが盛んとなった。三間地区は米どころで、中山池など農業用溜池が多い。離島や津島地区ではハマチ養殖をはじめ漁業が盛ん。とくに真珠生産は全国的に有名。その他、温州ミカン等の柑橘類やキウイ、いちご等の果物栽培も盛んである。
 国指定重要文化財として宇和島城天守、国指定名勝として天赦園があり、伊予神楽は国指定重要無形民俗文化財。市立歴史資料館(旧、宇和島警察署)は国の登録文化財。吉田地区は宇和島藩から分かれた吉田藩が置かれた地で、武家屋敷や往時の町並みを再現した「国安の郷」がつくられている。津島地区の南楽園は四国最大の日本庭園として知られる。闘牛も有名。

観光資源一覧

和霊神社・和霊大祭の写真

和霊神社・和霊大祭 (愛媛県 宇和島市 )

JR宇和島駅の北にあり、大鳥居*と夏祭りで名高い社。俗に「和霊さま」と呼ばれ、漁業を中心に広く産業の神として、地元の人々はもとより、九州・中国地方にまで知られている。祭神の山家清兵衛公頼(やんべせいべえきんより)は、伊達秀宗の家臣で宇和島藩総奉行として藩政改革に尽くしたが、1620(元和6)年政敵の陰謀で殺害された。その後、...

宇和島城の写真

宇和島城 (愛媛県 宇和島市 )

宇和島城は、市の中心、標高73mの丘の上に築かれた平山城で、戦国時代には板島丸串城と呼ばれて西園寺氏の居城であったが、1595(文禄4)年藤堂高虎が入部、翌年から6年の歳月をかけて本格的な築城を行った。築城の名手と言われた高虎が大名として初めて自分の居城につくった城である。その後1615(慶長20・元和元)年に伊達政宗の長子秀宗が...

名勝 天赦園の写真

名勝 天赦園 (愛媛県 宇和島市 )

天赦園は1866(慶応2)年 宇和島藩第7代藩主伊達宗紀(むねただ)の隠居所の庭園として建造した、11,240m2の面積を有する池泉廻遊式(ちせんかいゆうしき)庭園で、国指定名勝である。  名前は、伊達政宗が隠居後詠んだ「馬上に少年過ぎ 世は平にして白髪多し 残躯は天の赦す所 楽しまずして是を如何せん」という漢詩に由来し...

うわじま牛鬼まつりの写真

うわじま牛鬼まつり (愛媛県 宇和島市 )

うわじま牛鬼まつりは、毎年7月下旬に行われる四国有数の夏まつりの一つで、祭りは3日間におよび、何体もの牛鬼*が市内を練り歩く迫力のパレードや、伝統の宇和島おどり、夜空と宇和海をも彩る花火大会など、熱気あふれるイベントで盛り上がる。  牛鬼パレードでは、数十人の若者に担ぎあげられた牛鬼が、子どもたちが吹き鳴らす「ブーヤ...

宇和島闘牛の写真

宇和島闘牛 (愛媛県 宇和島市 )

宇和島近辺の村々で行われてきた闘牛は、起源は定かではないが、土俵を設け本格的に行われるようになったのは約170年前からといわれる。最も盛んだったのは大正末期から昭和初期で、農閑期やお祭りでは盛大に開催されていた。  現在では、宇和島市営闘牛場*において、1月2日、5月3日、8月14日、10月第4日曜日の年4回、定期闘牛大会が開か...

宇和津彦神社秋祭の写真

宇和津彦神社秋祭 (愛媛県 宇和島市 )

宇和津彦神社は景行天皇の一子、宇和津彦命を祭る古社で、792(延暦11)年、土佐国高賀茂社から味鉏高彦根命を移し、1648(正保5・慶安元)年には社殿を修営、大己貴命(おおなむちのみこと)を併祀(はいし)した。藩政時代には伊達氏の崇敬が厚かった。毎年10月29日に行われる秋祭では、裏町一丁目の八ツ鹿(やつしか)保存会、大工町の猿...

遊子水荷浦の段畑の写真

遊子水荷浦の段畑 (愛媛県 宇和島市 )

「耕して天に至る」という言葉がぴったりの段々畑の集積。住民が石を積み、造成した幅1m、高さ1.5m前後の狭くて細長い畑が、海岸の集落近くから山頂までに続いている壮大な景観。宇和海沿岸部には稲作に適した土地が少なかったことから、人々は山の斜面を開墾し江戸時代の終わりころにはサツマイモの栽培が行われていたが、明治末から大正に...

由良半島の写真

由良半島 (愛媛県 宇和島市 / 愛媛県 愛南町 )

由良半島は愛媛県の西南部に位置する豊後水道に長く突き出た半島部で、男性的な渦潮と荒波の中に、大猿、小猿の島々が映え、そそり立つ断崖の至る所に海水浸食の洞、怪礁がみられる。昔は串灘と呼ばれたように、突端まで長さ18km、数え切れないほどの入り江と小半島を長い串で刺したような形をしており、尾根を境に宇和島市津島町と南宇和郡...

滑床渓谷の写真

滑床渓谷 (愛媛県 宇和島市 / 愛媛県 松野町 )

滑床渓谷は足摺宇和海(あしずりうわかい)国立公園の一角で、宇和島市と松野町にまたがり、鬼ヶ城山・三本杭・高月山など1,000m級の山々に抱かれた長さ12kmに及ぶ渓谷である。その両側には自然探勝道*が取り付けられており、出合滑(であいなめ)・岳見岩(だけみいわ)・雪輪の滝(ゆきわのたき)・千畳敷(せんじょうじき)などの景勝が...

宇和島鯛めしの写真

写真提供:宇和島鯛めし協同組合

宇和島鯛めし (愛媛県 宇和島市 )

「魚どころ」といわれる愛媛県にあっても、産卵期の鯛のおいしさは格別である。一般的に鯛めしといえば、鯛とお米を出汁で炊き込んだものを想像するが、宇和島鯛めしは、特製のたれに新鮮な鯛の刺身と生卵を混ぜ、海草などの薬味と共に熱々のご飯にかけて食べる料理である。宇和島の人々が誇る郷土料理の一つであり、鯛を使った豪華版卵かけ...