嵯峨野トロッコ列車さがのとろっこれっしゃ

嵯峨野トロッコ列車は、保津川の渓谷美を楽しめる観光列車。JR嵯峨野線(山陰本線)の嵯峨嵐山駅に隣接するトロッコ嵯峨駅からトロッコ亀岡駅までの7.3kmを約25分で走る。トロッコ亀岡駅から保津川下りの乗船場へ連絡バスが運行している(所要15分)。
 1989(平成元)年3月、JR山陰本線の複線電化に伴い、嵯峨(現・嵯峨嵐山駅)~馬堀駅の新線が開通。保津峡に沿って蛇行する同区間の旧線は工事のネックとなるため、山中をトンネルで貫く新線がつくられたのである。一方、廃止された旧線は景色を楽しんでもらう観光路線として再利用されることとなり、1991(平成3)年にトロッコ列車の運行が開始された。
 列車の平均速度は時速約20~25km。ゆっくりと景色を楽しめ、客車も観光用につくられている。全車指定席なので、特にピークシーズンは注意が必要。なお、運行期間は3月1日~12月29日。
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みどころ

美しい外観のディーゼル機関車が5両の客車を牽引する。客車の1両は窓ガラスがなく天井はガラス張りの開放的な車両となっている。保津川の渓谷や山々の緑が美しい場所では速度を落として走るため、景色をゆっくり楽しめる。開業時に植樹された沿線の桜も大きくなり、美しい桜並木に沿う区間もある。列車からは保津川下りの船も垣間見え、乗船客とのやり取りも楽しめる。
 車窓からの眺めだけでなく、4つある駅や駅周辺にも観光的な魅力がある。レンガ調の駅舎のトロッコ嵯峨駅にはSLの展示や日本最大級の鉄道ジオラマもあり、鉄道ファンや子どもたちにも喜ばれている。次のトロッコ嵐山駅は落ち着いた佇まいの駅舎で、この駅の近くから嵯峨野の観光名所「竹林の小径」が延びている。次のトロッコ保津峡駅(無人駅)は保津峡に架かる吊り橋を渡った所にあり、自然豊かな周辺でハイキングを楽しむ人が多い。トロッコ亀岡駅は、保津川下りの乗船場へのアクセスも便利。駅前には観光馬車乗り場があり、保津川ではラフティング体験も楽しめる。
 観光的に様々な魅力のある嵐山・嵯峨野からトロッコ列車で保津川上流へ向かい、帰りは保津川下りを利用して、行きと帰りで違った角度から保津峡の自然を楽しんでほしい。

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