石清水八幡宮いわしみずはちまんぐう

京阪電車石清水八幡宮駅から表参道を歩いて登って約30分。同駅前から参道ケーブルカーを利用すれば八幡宮山上駅下車、徒歩5分。木津川・宇治川・桂川の合流点の南、対岸には天王山がそびえる要害の地、男山山頂に立つ。祭神は応神天皇・比咩(ひめ)大神・神功皇后。859(貞観元)年、奈良大安寺の行教律師の奏請で大分の宇佐八幡宮から勧請し、平安京の裏鬼門(西南)を守護する「王城鎮護の宮」として創建された。平安時代中頃には、皇室の守護神として、伊勢神宮に次ぐ、「国家第二の宗廟」とも称された。それ以後代々皇室の崇敬も深く、天皇の行幸や上皇の御幸などは240余度に及び、毎年、9月15日の勅祭石清水祭には、天皇陛下より勅使が差遣されるなど、皇室との深い縁は現在も続いている。加えて源氏が氏神として信仰したこともあって日本全国に八幡宮が分祀された。とりわけ厄除開運*の御神徳は古来名高く、今も厄年にあたる人々をはじめ、事業の繁栄・安全を祈る企業や団体、学問・技術の向上を願う青少年など、多くの人々の参拝が絶えない。
 現在の社殿は1634(寛永11)年、徳川幕府3代将軍家光の造営。本殿・幣殿・舞殿・楼門・回廊などからなり、これらを含む10棟が国宝に指定されている。緑に包まれた広大な境内には「枕草子」に登場する高良(こうら)神社、エジソン記念碑などもある。参道途中にある松花堂跡は、石清水八幡宮の社僧で、書道や絵画、茶道に優れた松花堂昭乗が隠棲した草庵の跡地。松花堂の建物は南約2kmにある「八幡市立松花堂庭園」に移築されている。なお、松花堂弁当は昭乗が好んだ四つ切り箱が器の基になっている。
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みどころ

内殿と外殿からなる本殿は現存する最古かつ最大の八幡造の社殿。丹塗の建物には、いたるところ飾金具や精密で彩色豊富な彫刻で飾られ、絢爛豪華な桃山時代の文化を伝える。内殿と外殿の間には織田信長が寄進した「黄金の雨樋」が架けられている。楼門は前面に唐破風をつけた珍しい建物である。二ノ鳥居のそばにある高良神社は、「徒然草」第52段に登場することで知られる。仁和寺の僧が山麓に立つこの社を八幡宮と勘違いして山に登らず帰ってしまったのをみて、「先達はあらまほしき事なり」と結んで、案内人、ガイドの必要性を説いている。観光史でも注目されている話である。境内にエジソン記念碑があるのは意外に思われるが、これは発明王エジソンが19世紀末、男山周辺の真竹でフィラメントを作り、白熱電球の実用化に成功したことを記念して、建立されたものである。
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補足情報

*厄除開運:前厄・本厄・後厄のほか、九星方位による八方除け・方除け、除災招福祈願、災難除けも、厄除け祈願として受けている。御神威による厄や災いを祓い除ける八幡御神矢のほかに、厄除けのお守りも、自身が身に付けるお守り、神社に納めていくおふだ、厄除けの方への贈り物、厄除けの授与品などと、必要な人別に細かく用意されている。
関連リンク 石清水八幡宮(WEBサイト)
参考文献 石清水八幡宮(WEBサイト)

2025年05月現在

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