奥飛騨温泉郷おくひだおんせんごう

日本列島の中央部で3000m級の飛騨山脈(北アルプス)の麓に、こんこんと湧き出る湯量豊富な温泉が点在する。乗鞍岳(のりくらだけ)から流れ出す高原(たかはら)川に、上流から平湯(ひらゆ)温泉・福地(ふくじ)温泉・新(しん)平湯温泉が、穂高(ほたか)連峰から流れ出す蒲田(がまだ)川に沿って、新穂高(しんほたか)温泉・栃尾(とちお)温泉がある。5つの温泉地を総称して奥飛騨温泉郷とよんでいる。
 温泉は、現在も活動を続けている焼岳を熱源とし、高温で湧出している。温泉郷全体で源泉は100孔以上、湧出量は毎分3万リットル以上である。宿泊施設と立ち寄り湯と合わせ、温泉郷には露天風呂が100か所以上ある。
泉質は、無色透明無味無臭でアルカリ性「単純温泉」、重曹が多く含まれる「炭酸水素塩泉」、塩分が多い「塩化物泉」、強い匂いが特徴の「硫黄泉」の4種類である。
平安時代(794年 - 1185年)には村上天皇がおしのびで療養に訪れたという伝説が残るなど、古くから湯治場(とうじば)として知られ、北アルプスへの登山基地にもなっている。
#

みどころ

湯量豊富、源泉かけ流し高温、良泉質の露天風呂が、宿泊施設内や客室付きに多数ある。野趣溢れた立ち寄り湯も多い。
 平湯温泉は、古くから交通の要所として開けた奥飛騨温泉郷の玄関口で、シーズン中は上高地・乗鞍岳へのシャトルバスが運行している。
 福地温泉は、国道から奥に入り静寂に包まれていて、四季折々の野菜や山菜、民芸品が並ぶ朝市がある。
 新平湯温泉は、焼岳の西山麓、高原川の川岸に広がり、小規模から大規模の宿と飲食店が立ち並ぶ。
 栃尾温泉は、高原川と蒲田川の合流点付近にあり、家庭料理自慢の民宿が多く、釣り人にも人気である。
 新穂高温泉は、温泉郷最奥部で北アルプスの登山口に位置する。新穂高ロープウェイの西穂高口駅展望台から北アルプスの山々の絶景が360度パノラマで見られる。
 各温泉地は泉質や趣きが異なり、湯めぐりをして、風呂や宿などのお気に入りを見つけるのも楽しい。また、同じ施設内でも泉質の種類が異なる湯船が接近した所もあり、泉質を比べられるのがうれしい。お得な「湯巡り手形」や「奥飛騨FREEクーポン」が地元で用意されているので、活用したい。
 旅の楽しみである食事も、奥飛騨名物の飛騨牛をはじめ川魚や山菜など地元食材を活かしたメニューで、美味しい。
関連リンク 奥飛騨温泉郷(WEBサイト)
参考文献 奥飛騨温泉郷(WEBサイト)
日本温泉協会 温泉名人(一般社団法人日本温泉協会)(WEBサイト)
濃飛バス( 濃飛乗合自動車株式会社)(WEBサイト)高山平湯温泉、新穂高ロープウェイ
『岐阜県の歴史散歩』 岐阜県高等学校教育研究会公民・地歴部会,地理部会=編 山川出版社
『るるぶ飛騨高山』JTBパブリッシング

2024年02月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。