千曲川(千曲市~飯山市周辺)ちくまがわ(ちくまし~いいやまししゅうへん)

千曲川は山梨・埼玉・長野の三県にまたがる甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)に源を発し、全長214kmにわたる。八ヶ岳・蓼科山・浅間山などの山々を縫って流れ、越後に入って日本一の長流、信濃川となる。
 千曲川は長野県を象徴する川の一つ。佐久鯉を育むのも、戸倉上山田の温泉街を流れるのも、また川中島の戦いの舞台となったのも、この千曲川である。
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みどころ

「千曲川(千曲市~飯山周辺)」「千曲川(小諸周辺)」の2つとしてそれぞれ評価。千曲市~飯山市周辺では、善光寺平から川幅を広げて緩やかな流れになり、河畔には美しい公園が続き、様々な花を咲かせる。
 千曲市、戸倉上山田温泉の南、千曲川に架かる万葉橋の袂(たもと)に広がる「千曲川萬葉公園」には、小野小町、高浜虚子、小林一茶らこの地に縁のある文人の31もの歌碑が立ち並んでいる。
 長野市に入ると川中島古戦場跡が広がり、武田と上杉の戦いに思いをはせる。
 小布施町では「小布施橋」の右岸のたもとに「千曲川河川公園」がある。建設省千曲川工事事務所(整備当時)と小布施町によって「千曲川の持つ本来の自然や風景、水や緑との触れ合いの場」として整備されたもの。春には河畔に菜の花、八重桜、ハナモモなどが満開になり、千曲川の流れと、雪をかぶった北信五岳の姿がまぶしく映る。
 飯山市では菜の花公園を舞台にして、毎年5月の連休に「いいやま菜の花まつり」が開催される。千曲川と残雪抱く北信五岳*を背景に約13haもの黄金色の菜の花畑が広がり、さまざまなイベントが行われる。赤い橋脚の大関橋をバックに千曲川と菜の花が美しく、写真撮影のポイントのひとつ。(林 清)
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補足情報

*北信五岳:長野県の北信地域の五つの山を指す。飯縄山、戸隠山、黒姫山、妙高山、斑尾山。

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