北斎館ほくさいかん

小布施町は須坂市に隣接し、千曲川右岸の松川扇状地に位置し、半径2km以内にすべての集落が入る長野県で1番小さな町。北信五岳・北アルプスを望むことができ、果樹栽培が盛んで特にリンゴと栗が代表的産物。葛飾北斎ゆかりの地で、切妻風白壁の江戸時代の町並みも復元されている。
 北斎館は市街地のほぼ中央、小布施駅南東約800mにあり、1976(昭和51)年に開館した。
 江戸後期、北斎が小布施を4回訪れ*、その際に描いた祭屋台天井絵などを中心に北斎の多岐にわたる作品を展示している。
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みどころ

江戸の浮世絵師、葛飾北斎の専門美術館。この北斎館は有名な冨嶽三十六景をはじめとした木版浮世絵(錦絵)を多数所蔵しており、さらに貴重な肉筆画などの掛軸や屏風を展示しているのが大きな特徴である。
 肉筆画の「菊」・「富士越龍」・「柳下傘持美人」などのほか、極彩色で描かれた祭屋台天井絵の「龍」「鳳凰」、「男浪」「女浪」を展示する祭屋台展示室もある。また画稿、手紙なども陳列されている。
 映像展示室では北斎に関する映像の上映が行われている。事前に見ておくと、展覧会の鑑賞も小布施の散策もより楽しめる。(林 清)
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補足情報

*北斎と小布施:北斎が小布施を訪ねたのは、1842(天保13)年。北斎を招いた高井鴻山は小布施の豪農商の生まれで、この地を代表する知識人であり、画家としても知られていた。北斎とは江戸遊学中に知り合ったとされ、鴻山は北斎を師として迎え、アトリエを北斎のために建て厚遇したと言われている。この時、北斎83歳、鴻山37歳であったという。
小布施滞在中の北斎は、放蕩の孫の悪魔祓いとして毎朝獅子を描くのを日課とした。北斎が小布施滞在中に残した作品としては、東町祭屋台天井絵の「龍」「鳳凰」、上町祭屋台天井絵の「男浪」「女浪」、岩松院天井絵の「鳳凰図」が知られている。中でも岩松院天井の鳳凰図は21畳分の広さに描かれ、全面極彩色でふんだんに金箔が使われた豪華な大作。
関連リンク 信州小布施北斎館(一般財団法人北斎館)(WEBサイト)
参考文献 信州小布施北斎館(一般財団法人北斎館)(WEBサイト)
小布施日和(小布施文化観光協会)(WEBサイト)
「信州おぶせ」小布施観光案内帖 小布施文化観光協会
「おぶせ・郊外エリアMAP」小布施文化観光協会

2022年09月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

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