国師ヶ岳こくしがたけ

甲武信ヶ岳と金峰山の間にあるピーク。高さは2,592mと高いが、頂上直下まで森林帯に覆われている。国師の名は甲州の名刹恵林寺(えりんじ)を創立した夢窓国師の修行伝説からだといわれる。
 一般的な縦走路からは外れるが、この山頂の南西方には奥秩父の最高峰北奥千丈岳*(2,601m)がある。
 西方の大弛峠(おおだるみとうげ)*には林道が通じ、小屋も立つ。この大弛峠からわずかの標高差のため、登山道はなだらかであり、途中には「夢の庭園」と呼ばれる名所がある。さらに前国師ヶ岳があり、国師ヶ岳山頂へと続く。北奥千丈岳とあわせそれぞれの山頂の間は10分程度である。
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みどころ

あまり目立たない山容ではあるものの、奥秩父金峰山に次ぐ標高2,592mの高さを誇る。南にある北奥千丈岳が奥秩父の最高峰で南側の眺望がきく。北奥千丈岳、国師ヶ岳、前国師ヶ岳が間近に位置しているため、気軽な三山登頂が楽しめる。
 林道の大弛峠から約1時間で到達できるので初心者でも安心した登山となる。また途中には周りを深い原生林に覆われながら、不思議なことにそこだけが露出している巨大な花崗岩(かこうがん)群のある「夢の庭園」と呼ばれる一角がある。巨石、灌木、高山植物があたかも庭園のような景色が広がり、ここからの朝日岳から金峰山の景観が美しい。(林 清)
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補足情報

*北奥千丈岳:北奥千丈岳は奥秩父最高峰だが、知名度は低く、登山者の目的の山とされるケースは少ない。国師ヶ岳の一部と思われていること、奥秩父の主脈から少し外れていることもあるだろう。しかし、山頂に立てば、素晴らしい眺望が待っている。北奥千丈岳の名は、4kmほど離れた奥千丈岳(2,409m)の北に位置することからついたもの。
*大弛峠:長野県川上村と山梨県山梨市の川上牧丘林道の県境にある峠。自家用車が通行できる日本で最も高い峠。朝日岳から金峰山、国師ヶ岳から甲武信ヶ岳への登山が手軽に楽しめる。
関連リンク 川上村(WEBサイト)
参考文献 川上村(WEBサイト)
山梨市観光協会(WEBサイト)

2022年09月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

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