志賀高原しがこうげん

長野県北東部、群馬との県境にある横手山(2,307m)を頂点に西は異様な姿を見せる笠ケ岳*、北は岩菅山(いわすげやま)、西に折れて焼額山(やけびたいやま)・竜王山・五輪山と連なる山並みに囲まれた標高1,300~2,300mの高原。
 高原内は志賀山(2,035m)*を中心に坊寺山・東館山・西館山の山々がそびえ湿原や湖沼が点在する。
 成因は100万年前ごろ東館山・西館山・竜王山などが噴火し、その火山活動をきっかけに横湯川と角間川に断層がおこって志賀カルデラができた。その後両川がせき止められ湖となったが、約20万年前中央部から志賀山が噴出した。そのため志賀山の山麓には現在みるような大沼池や四十八池などの湖沼が散在する。
#

みどころ

大小70余りの湖沼や湿原、渓谷が点在し変化ある地形をみせ、周辺部には様々な山が迫り、それぞれ特徴ある山容を見上げることができる。池の周辺には湿原が多く、湿原植物が美しい姿を見せる。また横手山や焼額山、東館山の山頂から広い志賀高原と周辺の山々が望め、天気が良ければ北アルプス連山の壁が遠望することができる。
 冬はスケールの大きいスキー場で横手山から最北部の焼額山まで広い範囲のスキー場めぐりが楽しめ、またスキー場から離れて静かな高原をスノーシューハイキングも魅力的である。春から秋へは保養・行楽・トレッキングハイキングと四季を通じて楽しめる。東館山・高天ケ原・四十八池付近などには高山植物が多く、鳥類もホオジロ、クロジ、メボソムシクイなどの夏鳥が生息する。秋の紅葉は9月下旬~10月中旬が見頃で、特に池の周りの針葉樹と広葉樹のコントラストが見事に映える。
 また白根山を越えて群馬県草津温泉へと志賀草津道路が通じ、さらに万座や軽井沢方面へも足を延ばせるなど様々なルートがとれることも大きな魅力である。(林 清)
#

補足情報

*笠ケ岳:標高2,076m、志賀高原と南西の山田牧場の間に鋭く三角に突き出た山頂をみせる。熊ノ湯から笠ケ岳山腹を縫って山田牧場へ下れる。
*志賀山:山頂が2峰に分かれ、西は志賀山、東は裏志賀山と呼ばれる。浸食をほとんど受けていない噴出時の地形そのままの渦巻状溶岩流が見られる、非常に珍しい山。
*1928(昭和3)年、長野電鉄・長野~湯田中間の開通に伴い、同社社長の神津藤平は、当時あまり知られていなかった下高井郡沓野山一帯を、故郷の志賀村(現在の佐久市志賀)の名にちなみ「志賀高原」と名付けた。スキー場を中心とした観光開発に力を入れ、1935(昭和10)年には日本初の国際スキー場に認定されるなど、国内でも有数のスキーリゾートを作り上げた。志賀高原の成功により、「高原」という名称が広く知られるようになったと言われている。
関連リンク 志賀高原(志賀高原観光協会)(WEBサイト)
参考文献 志賀高原(志賀高原観光協会)(WEBサイト)
The Snow Monkey Town山ノ内町(山ノ内町観光連盟)(WEBサイト)
「山ノ内町総合パンフレット」山ノ内町
「志賀高原」パンフレット 志賀高原観光協会

2022年09月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

あわせて行きたい