乗鞍岳のりくらだけ

長野県松本市と岐阜県高山市の県境、北アルプスの南端にあるコニーデ型の山。馬の鞍に似て複数の峰とその峰間のなだらかな尾根の姿から、その名がついたといわれている。
 乗鞍スカイライン(岐阜側)*や乗鞍エコーライン(長野側)*で2,702mの畳平までバスが入り、容易に頂上をきわめられる。剣ケ峰を盟主として3,000m級の恵比須岳・大黒岳・富士見岳・摩利支天岳など火口をもつ支峰がなだらかに連なり、権現池・五ノ池をはじめ多くの山上湖が点在している。3,026mの最高峰の剣ケ峰からは周辺に障害物がなく、北・南・中央アルプスなどの眺望、特に穂高連峰や御嶽山などの山がはっきりと確認できる。
 およそ100万年前の新生代の第四紀に、火山活動でまず北半分ができ、のち南半分が噴出したと推定されている。地表は全体的に火成岩におおわれ、剣ケ峰の山頂付近では溶岩も見られる。中ノ湯・白骨・奥飛騨温泉郷などはこの乗鞍火山帯によるものといわれている。
 摩利支天岳と剣ヶ峰の鞍部には東京大学・宇宙線研究所がある。山頂部は、山開きの6月1日ごろまで白銀の世界。例年、乗鞍スカイライン開通は5月中旬、乗鞍エコーラインの開通は7月初旬。やがて雪どけの跡に高山植物が芽を吹き、梅雨があけるとお花畑の最盛期となる。大雪渓ではサマースキーが楽しめる。9月下旬には紅葉が始まり、12月中旬には本格的スキーシーズンとなる。
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みどころ

火山活動で形成された23のピークを持つ山であるが、裾野もなだらかな曲線で北アルプスには珍しい女性的な美しさである。北アルプスの穂高連峰から少し離れており、かつ全体の姿が独立峰のため遠方からもよく目立ち、遠くからでも乗鞍岳と特定されやすい山である。
 乗鞍高原から美しい山の姿を眺めることができ、特に春から夏にかけて乗鞍高原の新緑と乗鞍岳の残雪のコントラストが見事であり、一の瀬園地や牛留池、善五郎の滝などから乗鞍岳をバックに魅力的な写真が撮影できる。
 バスの終点、標高約2,700mから剣ヶ峰の3,026mまで標高差300mで頂上に立つことができ、3,000mを超える山では最も短時間で山頂に立てる山である。頂上からは穂高連峰を前衛として北アルプスの展望、御嶽山や白山、中央アルプスや南アルプス、さらに富士山までも。9月下旬から紅葉が始まり、10月になると山頂付近から山麓へみごとな三段染が展開される。(登山の装備はお忘れなく)(林 清)
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補足情報

*乗鞍スカイライン:平湯峠から標高2,702mの畳平までの14.4kmの山岳観光道路であり、1973(昭和48)年舗装2車線の有料道路として開通したが、オーバーユースと自然保護の面で2003(平成15)年から一般車両乗り入れ禁止となり、バス、タクシー、自転車だけの通行となった。マイカーは「あかんだな駐車場」・「ほうのき平駐車場」で下車しバスに乗り換えて、畳平まで到達できる。(2022年現在災害で通行止め)
*乗鞍エコーライン:乗鞍高原観光センターで乗り換え、バスの中から秋の紅葉を眺めることができる。
関連リンク 新まつもと物語(松本市)(WEBサイト)
参考文献 新まつもと物語(松本市)(WEBサイト)
飛騨高山(一般社団法人飛騨・高山観光コンベンション協会)(WEBサイト)
「長野県の山」 山と渓谷社
「信州山歩き地図Ⅱ」 信濃毎日新聞社

2022年09月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

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