蓼科山たてしなやま

八ケ岳連峰の北八ヶ岳の北端に位置し、標高は2,531m。地形的には北八ヶ岳の中の1つとしてとらえられているが、北横岳からの縦走の対象となりにくいこと、独立峰的な山容で評価が高いことなどから単独の山として取り上げている。
 円錐形の山、コニーデ型*の上にトロイデ型*火山が噴出したもので、中腹の深い森林帯に対し、露岩の多い山頂からはアルプスの山々、また複雑に起伏する中信高原を一望にする。
 蓼科の名は「蓼」は立つ、急斜面の意味、「科」は階段状の地形、傾斜地、斜面などの意味から円錐形の形を指したものと思われる。
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みどころ

蓼科山は伊藤左千夫に「信濃には八十の群山ありといえど・女の神山の蓼科われは」と讃えられたごとく美しい円錐形の山容をもつ。
 八ヶ岳から派生する尾根上の山ではあるが、お椀型の山容で八ヶ岳とは一線を画す。特に西側のビーナスラインや白樺湖から見るとひときわ高くその独特な姿が目に飛び込んでくる。また北側の佐久市からは浅間山と蓼科山という円錐形の大きな山が相対しており、この地域のシンボルとなっている。
 岩石に覆われた山頂付近は急斜面でもあり登りにくいが、それだけに山頂に着いた時の満足感と周辺の眺望のすばらしさに感激する。(林 清)
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補足情報

*コニーデ型:成層火山とも。噴火を繰り返して、火口の周りに溶岩流や火砕物などを交互に堆積してできた円錐形の火山。富士山がその典型。
*トロイデ型:溶岩円頂丘とも。粘性の大きな溶岩が噴出し、急傾斜のドーム型の火山。昭和新山がその典型。
関連リンク 立科町(WEBサイト)
参考文献 立科町(WEBサイト)
「甲信越百名山」 山と渓谷社

2022年09月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

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