奈良井宿ならいじゅく

中山道六十九次のうち、江戸から数えて34番目の宿場で、江戸時代には奈良井千軒といわれたほど賑やかな宿場町であった。現在もJR奈良井駅の南西、旧街道沿いに庇(ひさし)の深い2階建、猿頭*、黒い千本格子の民家がつづいている。創業230年という旅籠越後屋など、町並みは往時の街道・宿場情緒を偲ばせる。西に難所といわれた鳥居峠をひかえ、南には木曽谷と伊那谷を結ぶ権兵衛峠*がある。
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みどころ

今でも中山道最長の宿場町で京都側の端の鎮神社から、奈良井川沿いを緩やかに下りJR奈良井駅周辺までの約1kmにわたって宿場町の面影を残し町並みが連続して形成されており、多くの観光客を集め、賑わいを見せている。
 今でも旅籠の軒灯、千本格子など江戸時代の面影を色濃く残し、宿場町の各所に様々な見どころをそなえており、時代を超えた風格が感じられる。
 中でも奈良井宿を特徴づけている水場は全部で6ヶ所あり、山から流れ出る豊富な水は、飲料水としてだけでなく、地元住民の生活用水、防火用水としても用いられている。
 また宿は町途中の「鍵の手」と呼ばれている街道の曲がり角があり、その先に何があるのかとの期待感をいだかせ、宿場町のアクセントにもなっている。
 現在の国道と宿場町を結ぶ美しい総檜造りの太鼓橋は、橋脚を持たない橋としては日本有数の大きさと、美しい姿で奈良井宿のシンボルにもなっている。日没後にライトアップされた姿は幻想的である。(林 清)
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補足情報

*猿頭:1階の屋根板を押さえる桟木の先にある彫りもの。
*権兵衛峠:伊那と木曽の間にある峠。標高1,500m付近を越えていく険しい峠道で、1696(元禄9)年木曽神谷の古畑権兵衛が開いたという。重要な通商路となっていたが、現在はトンネルが抜け、旧道はハイキングコースとなっている。
関連リンク 中山道木曽路 奈良井宿観光協会(一般社団法人塩尻市観光協会)(WEBサイト)
参考文献 中山道木曽路 奈良井宿観光協会(一般社団法人塩尻市観光協会)(WEBサイト)
「塩尻の粋」パンフレット 塩尻市

2022年09月現在

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