仙丈ヶ岳せんじょうがたけ

長野県と山梨県の県境にあり、北沢峠の南西に甲斐駒ヶ岳と対峙し3,033mとそびえ立つ。隣の花崗岩のピラミッドの甲斐駒ヶ岳とは対照的に女性的な山で、南アルプスでも特にスケ-ルが大きく南アルプスの女王といわれている。仙丈の名前は高さが千丈もあるからではないかと言われている。
 山頂近くには薮沢(やぶさわ)・大仙丈沢カール・小仙丈沢カール*があり、高山植物の宝庫でもある。
 登山は南アルプス林道の北沢峠からが一般的。小仙丈尾根から薮沢カールを周遊し薮沢新道をたどるルートの他に重幸新道をたどるルートもある。
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みどころ

女性的な優美さと、すっきりとして品がある姿と深田久弥は好きな山のひとつと述べている。山頂直下の3つのカールが特徴的であり夏の遅くまで雪が残り美しい姿を見せる。高山植物も豊富で花の名山としても名高い。
 その美しい姿は山梨県側からの平野からは見ることができないが、伊那谷から望める。特に中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイ山頂駅からの遠望や、陣馬形山や鹿嶺高原からの間近な姿も美しい。
 北沢峠から甲斐駒、仙丈を登るのであれば甲斐駒を先に登ることをお勧めする。甲斐駒登りの途中からの仙丈ヶ岳の姿がはっきり見えるようになり、その美しい山容に見とれるであろう。(林 清)
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補足情報

*カール:山の頂上付近の 万年雪の氷河が自らの重みで下方にすべり落ちて行く時の浸食によって、氷河の下の地面をすくい取ったように円形に削られた地形。日本では氷河期の名残で飛騨・赤石・日高山脈などにみられる。圏谷(けんこく)ともいう。
関連リンク 伊那市(WEBサイト)
関連図書 「日本百名山」深田久弥、「カラー南アルプス」白旗史郎 山と渓谷社
参考文献 伊那市(WEBサイト)
「甲信越百名山」 山と渓谷社

2022年09月現在

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