伊那市は、長野県の中南部、伊那盆地北部の中心都市。市域は天竜川の両岸にまたがり、右岸は木曽山脈から続く小河川の扇状地が段丘面上にかぶさった地形で、左岸は主に天竜川に合流する三峰(みぶ)川の扇状地及びその東方の山地からなる。駒ヶ根市、塩尻市、諏訪市、茅野市 箕輪町、南箕輪村、宮田村、大鹿村、木曽町、富士見町と静岡県静岡市、山梨県南アルプス市、北杜市に接する。
 近世は南北方向の三州街道と、東西方向の杖突、権兵衛街道の交差点にあたっていたので、宿駅として形成された。明治になり行政機関が設置されてからは急速に発展し、現在はJR飯田線や中央自動車道が通じ伊那インターチェンジがあり、また国道153号と、361号が交差し交通の要地をなす。高遠地区は杖突街道を継承する152号が主要道である。
 伊那盆地北部の商業中心地でもあり、電子部品や精密工業など機械工場も多い。農村部は水稲、酪農のほか、リンゴ栽培も増えている。
 高遠城址公園の1,500本にのぼるコヒガンザクラは、毎年4月中~下旬に多くの観光客を集め、9月中旬の勘太郎祭は市の一大年中行事になっている。また、ザザムシ(カワゲラ、カゲロウの幼虫)、ハチの子、馬肉など「伊那の悪食(あくじき)」の本場でもある。また、羽広(はびろ)観音で知られる仲仙寺や、南沢温泉などがある。

観光資源一覧

甲斐駒ヶ岳の写真

甲斐駒ヶ岳 (長野県 伊那市 / 山梨県 北杜市 / 山梨県 南アルプス市 )

南アルプスの北端に位置し長野県と山梨県の県境にある。一般的には日本の数ある駒ヶ岳*の中で甲斐駒と呼ばれ、JR中央本線から巨大なピラミッド型の雄姿が見られる。標高2,967mと駒ヶ岳の中では最高峰である。  岩登りで知られる鋸岳や坊主山・摩利支天・駒津峰などを四方に従えたこの山は堂々たる姿をしている。特に摩利支天は山梨県側か...

仙丈ヶ岳の写真

仙丈ヶ岳 (長野県 伊那市 / 山梨県 南アルプス市 )

長野県と山梨県の県境にあり、北沢峠の南西に甲斐駒ヶ岳と対峙し3,033mとそびえ立つ。隣の花崗岩のピラミッドの甲斐駒ヶ岳とは対照的に女性的な山で、南アルプスでも特にスケ-ルが大きく南アルプスの女王といわれている。仙丈の名前は高さが千丈もあるからではないかと言われている。  山頂近くには薮沢(やぶさわ)・大仙丈沢カール・小...

高遠城の写真

高遠城 (長野県 伊那市 )

長野県伊那市の内東部、中央・南アルプスを遠望する高台の上にある。1547(天文16)年、武田信玄*の命によって家臣の秋山信友・山本勘助*らが築城したという。1582(天正10)年に高遠城主であった仁科盛信(武田信玄の五男)は、敵方の総大将であった信長の嫡男、信忠からの降参の要請に応じず城に籠り、数千の兵で数万の軍勢を相手に一戦...

高遠のサクラの写真

写真提供:(一社)伊那市観光協会

高遠のサクラ (長野県 伊那市 )

高遠は伊那市の東部。四方を山に囲まれたわずかな平地に民家が密集している。高遠城は明治維新までは内藤氏3万3,000石の城下町で、南信地方の中心であった。  高遠城は築城技術に武田流兵法を取り入れた堅固な城であったが、明治維新時に藩校進徳館を残して本丸御殿や門、橋など城内の建物はすべて取り壊され、民間に払い下げとなり、1875...

塩見岳の写真

塩見岳 (長野県 伊那市 / 静岡県 静岡市 )

南アルプスのほぼ中央、長野県伊那市と静岡県静岡市の県境にあり標高は3,052m、漆黒の山体にずんぐりした頂をのせている。東側には大井川源流の谷が深く切れ込み、北は絶壁、西には天狗岩と呼ぶジャンダルムがあり、近づくとかなりきびしい表情である。  塩見の名前は、山頂から太平洋が見えるからという説もある。しかし塩見岳の山麓に塩...

鋸岳の写真

鋸岳 (長野県 伊那市 / 山梨県 北杜市 )

長野県伊那市と山梨県北杜市の県境にあり、甲斐駒ヶ岳の北西に連なる鋸岳。標高は最高峰第一高点が2,685mであるが、小ギャップ・鹿窓・大ギャップ、第二高点、などなど鋸十峰が続き、名前のごとく鋸状のピークが形成されている。  甲斐駒ヶ岳の支脈としての認識が強いこと、また登山の難易度や崩壊の危険性が高いことから、この鋸歯状の山...