蘇洞門そとも

大断崖として有名な蘇洞門は、日本海に突き出した内外海(うちとみ)半島の先端、久須夜ガ岳(くすやがたけ)の北の山裾が外海に洗われてできた豪壮な景勝地である。荒波は花崗岩を柱状節理に沿って浸食し、松ヶ崎の小山付近から白石黒石(しろいしくろいし)まで約6kmの間を奇岩、洞門、洞窟、断崖などに造りあげたのである。
 遊覧船*は双児島(ふたごじま)を右に、暖地性植物が群生している蒼島(あおしま)を左手に見ながら小浜港を進む。
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みどころ

景観の中心は、大門(おおもん)・小門(こもん)の洞門で、仰ぎ見るほどの直立絶壁の岩がそそり立つ。大門は帆船の通れるぐらいの大きさの洞門である。波の穏やかなときは遊覧船はここで休憩をする。
 そのほか周辺には珍しい節理が見られる。三つ岩、二つ岩、こうもり岩、なた岩、小山、華洞門、地獄門、唐船島、あみかけ岩、獅子岩、親子亀岩、百畳敷やところどころに滝も現われる奇勝が次々と展開してゆく。
 東部の、岩の一部が角板岩からできているため黒く、白い花崗岩*と接触して絶壁を成している白石黒石も忘れてはならない景観の一つである。(溝尾 良隆)
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補足情報

*蘇洞門めぐり遊覧船:遊覧船は若狭フィッシャーマンズワーフ前の小浜新港から乗船。小浜から蘇洞門へ出るコースは一年を通じてある。日本海の荒波が作り上げたダイナミックな景観を楽しめる50分のクルージング。1時間に1本出ている。波の高いときや風のある日は欠航する。右側の席をとると、撮影に良い。
*白い花崗岩:黒雲母花崗岩。およそ700万年前に貫入してマグマが地下で冷えてできたもの。方状節理の割れ目に沿って浸食や崩落するので、鋭角的な断崖や四角い窓状の海食洞になる。