小浜市は、福井県の南西部、若狭のほぼ中央に位置する。北は国定公園の指定を受けた若狭湾に面し、海岸線の一部は「蘇洞門」を有するリアス式海岸となっている。東は若狭町、西はおおい町、南は滋賀県高島市に接する。若狭湾中央の小浜湾に臨み、北川、南川の三角州上に立地する商工業都市である。
 JR小浜線が通じ、国道27号、162号が走り、市内で交差し、舞鶴若狭自動車道の小浜と小浜西の二つのインターチェンジがある。
 古代から日本海側屈指の要港として栄え、陸揚げされた文化や各地の物産は「鯖街道」などを経て、京都や奈良へ運ばれた。塩や海産物などの豊かな食材を朝廷に供給していた「御食国」としての歴史があり、今も食や祭礼など様々な文化が息づいている。
 伝統の若狭塗、めのう細工と漁業のほか、1960(昭和35)年ごろからは電気機器、縫製業が立地している。
 東大寺二月堂の御水取に用いる若狭井の水源である鵜の瀬、景勝地蘇洞門(国指定名勝)、小浜城跡、小浜公園、蒼島(暖地性植物群落、国指定天然記念物)などのほか、地理的に京都に近く文化の発達も古く、かつ兵火の災いも少なかったので、史跡、文化財が豊富なことで知られる。神社では、若狭一宮である若狭彦神社、若狭姫神社、寺院では若狭お水送りで知られる神宮寺、本堂・三重塔が国宝に指定されている明通寺、国指定重要文化財をもつ円照寺などが有名である。また、郷土芸能では県指定無形民俗文化財の雲浜獅子や手杵祭が知られる。

観光資源一覧

明通寺の写真

明通寺 (福井県 小浜市 )

北川の支流、松永川を8kmさかのぼった上流にある。橋を渡って参道を行くと山門があり、一直線に行ったところに本堂*、三重塔*が、杉木立に囲まれた境内に美しい姿を見せている。  この寺は、蝦夷大将軍坂上田村麻呂が蝦夷征代による多くの犠牲者を弔い平和を願い、806(大同元)年に建立したと伝えられる。中世以前の沿革は判然としてい...

蘇洞門の写真

写真提供:公益社団法人福井県観光連盟

蘇洞門 (福井県 小浜市 )

大断崖として有名な蘇洞門は、日本海に突き出した内外海(うちとみ)半島の先端、久須夜ガ岳(くすやがたけ)の北の山裾が外海に洗われてできた豪壮な景勝地である。荒波は花崗岩を柱状節理に沿って浸食し、松ヶ崎の小山付近から白石黒石(しろいしくろいし)まで約6kmの間を奇岩、洞門、洞窟、断崖などに造りあげたのである。  遊覧船*は...

若狭彦神社・若狭姫神社の写真

若狭彦神社・若狭姫神社 (福井県 小浜市 )

JR東小浜駅からまっすぐ南、若狭姫神社(若狭国鎮守二宮、下社、下宮)が、さらに遠敷川沿い1.5kmほど上流に行ったところに若狭彦神社(若狭国鎮守一宮、上社、上宮)が鎮座する。創建は彦神社が715(霊亀元)年、姫神社が721(養老5)年と伝え、若狭最古の神社である。  祭神は彦神社が天津彦火火出見尊(あまつひこほほでみのみこと、山...

羽賀寺の写真

羽賀寺 (福井県 小浜市 )

小高い山と北川に囲まれて広がるのが、中世荘園の一つであった国富荘である。羽賀寺はこの国富荘の裾に閑静にたたずんでいる。鳳凰が飛来し、羽をこの地に落としたことから鳳聚山羽賀寺と名付けられた。  716(霊亀2)年、奈良朝の女帝元正天皇が僧行基に命じて、羽賀寺を創建したと伝えられ、元正天皇の勅願所となった。947(天慶10・天暦...