巻機山まきはたやま

標高1,967m。割引岳・巻機本山・牛ヶ岳を含め巻機山と総称され、新潟と群馬の県境に優雅な山容を見せる。山名は当地方の産物である機織りと関係があり、頂上一帯は御機屋と呼ばれ、機織りの伝説がある。山麓には機織りの女神の巻機権現が祀られている。五合目までは「井戸の壁」といわれる樹林帯の急登であるが、五合からのブナ林、六合目のランドマークとなる天狗岩、七合目を過ぎると視界が開け、草原が広がる景観となり、そこから山頂まで2時間弱は、楽しい山歩きとなる。
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みどころ

巻機山は登山者に人気のある山。それは、樹林帯や天狗岩等変化があるコースで、最後の山頂への稜線歩きが、標高差が少なく広く伸びやかで、急登の疲れをすっかり忘れさせてくれるからである。頂上付近のゆるやかなスロープは高山植物と池塘群があり、越後三山を間近に望む。初夏の花畑、秋の草紅葉、割引沢、米子沢の渓谷の紅葉がみごとである。(溝尾 良隆)
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補足情報

*山頂部に草原が広がる景観は、最終氷河期最寒冷期やその前後の時代は植生が乏しくなり、地面が凍結と融解を繰り返すことで、土砂が移動し、山頂付近の斜面をなだらかにしたのではないかと考えられている。
*JR上越線の清水トンネルの清水は、巻機山の登山口である清水である。清水の先に清水峠があるが、上越線は、現在の清水トンネルと旧清水峠を通じるものとの二案があった。旧清水峠案は採用されなかったが、トンネル名に清水が残った。
関連リンク 南魚沼市観光サイト(南魚沼市)(WEBサイト)
関連図書 深田久弥著『日本百名山』新潮社
参考文献 南魚沼市観光サイト(南魚沼市)(WEBサイト)
えちご南魚沼いいとこ自慢(一般社団法人南魚沼市観光協会)(WEBサイト)
『分県登山ガイド 新潟県の山』山と渓谷社、2018年
小泉武栄編集『図説 日本の山-自然が素晴らしい山50選-』朝倉書店、2012年6月
深田久弥著『日本百名山』新潮社

2022年08月現在

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