片貝まつり(浅原神社秋季例大祭奉納大煙火)かたかいまつり(あさはらじんじゃしゅうきれいたいさいほうのうだいえんか)

毎年9月9日と10日に開催される「浅原神社秋季例大祭」で打ち上げられる花火は神社への奉納である。日本一、世界最大級の正四尺玉があがる。正四尺玉が夜空に開く大きさは、直径800mに達する。
 1802 (享和2)年、観音堂の完成にあわせて、花火が打ち上げられ、「十里の遠方から」花火見物に来たという記録が残る。三尺玉は1891(明治24)年、四尺玉は1985(昭和60)年に初めて打ち上げに成功した。神社近くに4尺玉をつくる片貝煙火工場がある。世界最大級の4尺玉は、40号、直径120cm、重さ約420kg、これが約800mの上空に打ち上げられ、直径800mの大輪が大空に開くのである。
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みどころ

地域の人たちにとって、「自分たちが打ち上げる花火」であり、誕生、成人、結婚、新築、還暦、追善供養など人生の節目に合わせて、個人で、仲間同士でお金を貯める、通称「花火貯金」をして、さまざまな想いを込めたメッセージとともに奉納花火が打ちあがる。メッセージは特別の刷り物にあり、それが打ち上げのときに発表されるが、面白いメッセージには見物客の笑いを誘う。
 会場は、長岡の大花火と違って、神社境内のかなり狭い範囲に座って見物するので、四尺玉が揚がるのときの地響きはものすごい。臨場感にあふれた花火見物で、古き良き祭りがここにある。(溝尾 良隆)