佐渡国分寺跡さどこくぶんじあと

奈良時代、諸国に建てられた国分寺の一つ、佐渡国分寺の跡。真野宮から県道約3km北上した松林に、国分寺史跡公園として整備されている。面積約2,000m2、金堂・中門・回廊・七重塔跡の礎石が芝生の中に並び、往時の伽藍配置がよくわかる。特に金堂と中門をつなぐ回廊があったのは珍しいといわれる。また、金堂の東に残る礎石は平安時代再建の新堂跡とみられる。なお、佐渡国分寺の完成は764(天平宝字8)年と思われ、古瓦なども多数出土している。
 隣接した東方に現国分寺がある。いつの建造か定かでないが、江戸初期といわれる。仁王門を入ると、右手が本堂、正面が1666(寛文6)年建立の瑠璃堂、収蔵庫に再度の火災から逃れた高さ1.36mのヒノキの一木造りの平安前期の薬師如来像が安置されている。
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みどころ

江戸時代に建立された国分寺は、奈良時代の国分寺とは関係ない建物構成となっているが、かやぶきの門を入ると、遠くに茅葺きの瑠璃堂がみえ、その背後に重要文化財の木造薬師如来坐像が安置されている。本堂へはその途中から右に折れる参道をたどる。本堂は茅葺きではないが、美しい甍屋根になっている。全国各地で整備されている国分寺跡に隣接して江戸時代に建立された国分寺があるのはめずらしいので、ぜひ双方とも訪れてほしい。(溝尾 良隆)